【ボート】人気の1号艇がFで10億円余の大返還 45歳の香川素子がG1初Vで真夏の女王に
「レディースチャンピオン・プレミアムG1」(7日、まるがめ)
10億円余の大返還という、真夏の女王決戦はまさかの結末となった。断トツの人気を集めた1号艇の実森美祐が、インからコンマ06の非常識なフライングに散った。4コースから最内を差した3号艇の香川素子(45)=滋賀・80期・A2=が、恵まれでG1初Vを飾った。G1優出は5回目、レディースチャンピオンは10年ぶりの優出だった。2着は本番で2コースまで動いた6号艇の平山智加。3着は3コースから攻めた2号艇の大山千広。
デビュー初VとG1初Vは無残に散った。うつむきながら引き揚げてきた実森は「速かったですね…」と言葉を絞り出すのがやっとだった。今回のペナルティーで、フライング休みが明けてからも、6カ月の女子戦は除外となる。優勝戦の売上は11億8318万6000円だったが、その86パーセントにあたる10億2032万4700円が返還となり、シリーズトータルでの売上目標にも届かなかった。
一方、勝った香川素子はコンマ03のS。こちらもギリギリのSだったが、「速いと思ったけど、勝負どころだしそのまま行った。Sが判定中ってなったとき、絶対に自分だと思った」と振り返った。
S展示は3コースのスローだったが、本番は4カドを選択。「起こしで回転が上がっていなかったし、それならって思ってダッシュに引きました」と、土壇場での判断が功を奏した。最内差しからバックは2番手。先頭を走る1号艇の実森美祐にF判定が下り、一気にVロードへの道が開けた。「舟の向きは良かったし、思ったターンができた。足も良かったし、いい仕上がりで行けました」と100点満点の内容だった。
ウイニングラン後は池田紫乃、池田浩美、落合直子らとハイタッチ。残っていた多くの選手に祝福されていた。「レディースチャンピオン制覇は選手になってからの目標でした。45歳になって優勝できるとは思わなかったけど、本当にうれしいです」と笑みをこぼした。
「まるがめは本当に相性のいい水面ですね。息子(香川颯太=125期)にも強い姿を見せることができて良かった。次の目標はもちろんクイーンズクライマックス優勝。頑張ります」。ベテランの域に入ってもその強さは本物。年末に照準を定め、さらなる活躍を誓った。