【神戸新聞杯】パラレルヴィジョン圧巻走 遅れてきた大物 初重賞獲りへ楽々先着
「神戸新聞杯・G2」(25日、中京)
2戦2勝の大物パラレルヴィジョンが、いよいよ初めての重賞に臨む。21日、美浦Wでの最終リハでは年長馬と併せて圧巻のパフォーマンスを披露。好気配をのぞかせた。また、ダービー12着以来になるアスクワイルドモアは、栗東CWで強めに追われて好仕上がりをアピール。春の雪辱へ態勢を整えた。
遅れてきた大物パラレルヴィジョンが、無傷の3連勝を狙って最終リハを行った。
美浦Wで先行したモーソンピーク(5歳2勝クラス)を3馬身ほど追走。直線内に潜り込むと、楽な手応えのまま先着を果たした。タイムは6F83秒3-36秒9-11秒4。首差ではあったが、強めに追われた年長馬を子供扱い。ラスト1F11秒5を刻んだ2週前を皮切りに、3週連続で高パフォーマンスを披露した。
動きを見つめた国枝師は「楽に先着。手応えが良かったね。特に気になるところもないよ」と満足そう。当初は昨年6月の東京でデビュー予定も、直前の追い切り後に軽度の骨折が判明。今年4月の中山まで待たされることになった。ところが、既走馬相手にいきなり2馬身半差で快勝すると、続く1勝クラスも3馬身差でV。いずれも1番人気に応え、期待通りの大物ぶりをアピールした。
さらなる成長を促す意味もあり、夏場はリフレッシュに充て、8月下旬にノーザンファーム天栄(福島県)から帰厩。ここに備えてきた。トレーナーは「センスがいいね。全体的に体がしっかりした感じで、気持ちの面でも落ち着いている」と評価する。初の長距離輸送が控えているが、「そんな感じだから大丈夫だろう」とどっしり構える。
今回について「距離はいい」と言うが、「菊は分からない」と続けた。まずはここに全力投球。「状態はいいし、あとは相手関係。折り合って行ってくれればいいと思う」と期待は大きい。アーモンドアイを筆頭に牝馬で実績を挙げる関東の名門厩舎だが、この秋は牡馬の本格派を引っ提げ、尾張・桶狭間から天下獲りの夢を抱く。