【競輪】村上義弘の引退にライバルも衝撃 伏見俊昭「一つの時代が終わってしまった」

 2012、16年にKEIRINグランプリを制した競輪界のトップレーサー・村上義弘(48)=京都・73期・S1=が29日、現役引退を発表した。“魂の走り”でファンだけでなく選手間でも尊敬されていただけに競輪界に衝撃が走った。

 村上と長くライバル関係だった伏見俊昭(46)=福島・75期・S1=は「衝撃です。今年は欠場も多かったけど、まさか引退とは。競輪選手にとって引退は必ずくるものだけど、村上さんが引退した現実を受け止められない。もう村上さんがバンクを走ることがないと思うと寂しい反面、とても複雑。村上さんとは自分が自力で動いている頃、バチバチやり合って成長させてもらった。先行日本一をかけて戦っていたし、一番のライバルでした。村上さんの『カマシは先行じゃない。抑え先行で勝ってこそ』の言葉は心に残っている。やり切ったのか、無念なのかは村上さん本人しかわからない。一つの時代が終わってしまったことは確かですね」と話した。

 2019年のグランプリ覇者・佐藤慎太郎(福島)も「さみしいの一言。村上さんは先行で頂点を極めた選手で、一つの時代を作った選手。ファンの人気はとにかくすごかった。村上さんが自力の頃、伏見(俊昭)さんをマークして、村上さんと対戦することが多かったから、伏見さんとどうやって村上さんを倒すかよく話をしていたことを思い出します。とにかく熱いレースが多かった」と振り返る。

 近畿地区の後輩で2018年にグランプリを制した三谷竜生(奈良)は「だいぶ怒られましたが、それがあったからG1やグランプリを獲ることができました。村上さんの存在は大きかった。さみしいですね」と開催中の立川でコメントした。

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