【天皇賞】パンサラッサ“らしさ”全開も惜しい2着 矢作師「悔しいけど馬を褒めてあげたい」
「天皇賞(秋)・G1」(30日、東京)
あと残り約3メートルで、国内G1初制覇を狙ったパンサラッサの夢ははかなく散った。
それでも久々に“らしさ”全開で場内をヒートアップさせた。向正面入り口で先頭に立つと、迷うことなく逃げてグングンと差を広げて行く。前半5F通過57秒4にどよめくスタンド。3角では15馬身以上、4角を過ぎてもまだ10馬身以上の差。“これはもらった!”-そう思ったところに、イクイノックスの豪脚が突き刺さった。
「最後の100メートルは脚が上がったけど、よく頑張ってくれた。すごい馬です。状態も良かったんでしょうね。何とかしたかった」と唇をかんだ吉田豊。「期待に応えられなくて申し訳ない」とは矢作師。直線に入る前から声援を送り続けていたとあって、その声はかすれ気味。「ここ2戦とは行きっぷりが違っていたからね。悔しいけど、きょうは馬を褒めてあげたいよ」と愛馬の奮闘をたたえた。
この後は予定通り、香港C・G1(12月11日・香港シャティン)へ向かう。「かなりこたえていると思うので、少し放牧に出してから香港へ。勝ちに行きます!」。きょうの悔し過ぎる敗戦が、燃える闘将を本気にさせた。