【POG】今年の2歳牝馬はハイレベル!? 阪神JFが楽しみ(美浦発)

 競馬新聞「馬サブロー」が誇るPOGマスター、木村拓人(美浦)と塩手智彦(栗東)がお送りするPOG情報。東西のトレセンでつかんだ情報をお伝えします。

 先週の天皇賞・秋は見応えのあるレースでしたね。競馬を盛り上げたのは何といってもパンサラッサ。我が道を行く大逃げで2着まで粘り込みました。前半1000mの通過タイムだった57秒4は、98年の天皇賞・秋で競走中止となってしまったサイレンススズカと同じ。当時も大逃げでしたが、その2番手から運んでいたのがサイレントハンター。その鞍上がパンサラッサに乗っていた吉田豊なんですよね。サイレンススズカのスピードを目の前で見ていたジョッキーが、同じペースでの逃げ切りを狙う。あの走りの続きを見ているような感じにも見えて目頭が熱くなりました。勝ったイクイノックスも本当にお見事でした。

1分57秒5という勝ち時計を目指すために全く違うプロセスを取った2頭でしたが、それがゴール前での白熱した接戦を生むのですから競馬は面白いですね。天皇賞・秋は毎年名勝負を生んでくれる名レースですね。また来年はどんなメンバーがどんな走りを見せてくれるか楽しみ。そこにPO馬がいてくれたらもっと気持ちが入ってしまうでしょうね。

 さて先週はアルテミスSが行われました。牝馬の出世レースとして確立していると思いますが、ここを制したのはラヴェル(牝、矢作)。天皇賞を制したイクイノックスと同じキタサンブラック産駒ですね。キタサンブラック産駒の基本形はゆったりとした走りで切れ味勝負には向かないタイプだと思うのですが、この2頭に共通するのは強烈な決め手。血統の枠を超えた走りを見せることが一流の証明なのでしょうね。ラヴェルは阪神JF(12月11日・阪神、芝1600m)を目指す模様。2着のリバティアイランド(牝、中内田)も同レースへ。しかし、今年は牝馬戦線のレベルが高いように感じるのは筆者だけでしょうか?すでに阪神JFに参戦を表明している主立った馬をまとめてみても

イティネラートル(牝、長谷川)4戦2勝 りんどう賞

ウンブライル(牝、木村)2戦2勝 もみじS

キタウイング(牝、小島)3戦2勝 新潟2歳S

サンティーテソーロ(牝、栗田)3戦2勝 サフラン賞

ドゥアイズ(牝、庄野)3戦1勝 札幌2歳S2着

ドゥーラ(牝、高橋康)3戦2勝 札幌2歳S

モリアーナ(牝、武藤)2戦2勝 コスモス賞

ラヴェル(牝、矢作)2戦2勝 アルテミスS

リバティアイランド(牝、中内田)2戦1勝 アルテミスS2着

うーん、なかなかに豪華なメンバーですなぁ。すでに予想するのが非常に難しい感じが漂っていますが、このまま無事にレースを迎えてほしいです。

 先週の新馬戦ですが、まずは30日の東京芝1800mを勝ったエメリヨン(牡、加藤士)。レース前には横転してしまう場面もありましたが、見事に初戦を勝利で飾りました。まずは放牧でリフレッシュを図るとのこと。

 29日の東京芝1600mを勝ったのはシャンパンカラー(牡、田中剛)。曽祖母がバルドウィナなので重賞4勝のワンカラットや重賞2着のあるサンシャイン、そして桜花賞馬ジュエラーと同牝系となりますね。そして馬主も同じ青山洋一氏。人と馬の血の流れを感じますね。次走はベゴニア賞(27日・東京、芝1600m)へ向かう予定。

 同日の東京1400mを勝ったのはルミノメテオール(牝、金成)でした。母クイーンナイサーからは大物こそ出ていないものの、産駒の勝ち上がり率は高く、堅実に走る血統ですね。次走は未定ですが、いい勝ち方を見せてくれましたので先々も楽しみです。

 29日の東京芝1800m未勝利戦を勝ったグリューネグリーン(牡、相沢)は祖母が同じ相沢厩舎でオークスを勝ったウメノファイバーなので、厩舎ゆかりの血統ですね。圧倒的な支持に応えての勝利ですし、調教師からは早くから期待のコメントが出ていた馬。これは今後も楽しみな一頭となりそう。次走は京都2歳S(26日・阪神、芝2000m)に向かう予定。30日の東京芝2000m未勝利戦を勝ったニシノプロポーズ(牡、松山)は葉牡丹賞(12月3日・中山、芝2000m)に向かう。

 ダートで新馬、特別と連勝中のトレド(牡、池上)は兵庫ジュニアGP(24日・園田、ダート1400m)か、カトレアS(26日・東京、ダート1600m)のどちらかへ向かう。(馬三郎美浦支局・木村)

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