【デイリー杯2歳S】オールパルフェ 完全無欠の逃走劇 大野が殊勲の騎乗で重賞初V導いた
「デイリー杯2歳S・G2」(12日、阪神)
3番人気のオールパルフェが鮮やかな逃走劇で重賞初制覇。管理する和田雄師、そして新種牡馬の父リアルスティールに初めてのタイトルをプレゼントした。1番人気のダノンタッチダウンは2着。3着には4番人気ショーモンが続いた。
完全無欠の逃走劇だ。スターホースへの登竜門を制したのはオールパルフェ。大外枠から機先を制して小気味いいリズムを刻むと、後方から襲い掛かる1番人気ダノンタッチダウンを、半馬身差で封じて歓喜のVゴールへ。レース史上初めて、関東馬に凱歌が上がった。
思い切った“一頭入魂”の騎乗で重賞初Vへとエスコートした大野は「ここ2戦より少しテンションが高く、ゲートでそわそわして立ち遅れましたが、センスがいいのですぐに挽回してくれました」とパートナーをたたえた。
今夏はデビュー18年目にして初となる海外遠征で自らを高めた。今年4月のダービー卿CT(タイムトゥヘヴン)以来となる重賞タイトルは「助手だった時からお世話になっていた」という和田雄師の記念すべき重賞初勝利にもなり、「とてもうれしい」と殊勲の鞍上は頬を緩めた。
もちろん和田雄師も笑顔だ。「お母さんも預かっていた馬で、その子どもが初めての重賞をもたらしてくれた。それが何よりもありがたいです」。母クイーングラスも管理し、3歳時には紫苑S(7着)に出走するほどの期待馬だったが、故障のため志半ばで引退。それでも、その初子が夢をつないでみせた。
今後については未定だが、来春はクラシックへ照準を合わせることになるだろう。走るごとに輝きを増す孝行息子が、さらなるステージを求めて突っ走る。