【マイルCS】エアロロノア 堅実の裏返しに必死さ欠ける一族 笹田流調整でひと皮むけた走りを

 笹田師ゆかりの血統馬が、念願の初タイトルを狙う
 潜在能力を秘めるエアロロノア
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 「マイルCS・G1」(20日、阪神)

 血統表を眺めるのと同じぐらい、調教欄を見るのが好きな私。外厩制が主流になりつつある昨今ですが、それでも調教欄には厩舎の個性が出るものです。私の場合、「この調整過程は好きだな」と感じた馬を見つけた際、笹田厩舎であるケースが多々(最近は上村厩舎もお気に入り)。勝った負けたは時の運ですが、厩舎のブレない姿勢に安心感を得られるのでしょうね。

 本題へ。今回紹介するエアロロノアは、笹田師が大切に育んできた「エア」の血を引く期待馬。この一族の特徴は、何と言っても「堅実さ」でしょう。

 3代母エアデジャヴーは、00年皐月賞&菊花賞馬エアシャカールの半姉で、98年牝馬3冠で3・2・3着。そして祖母エアメサイアは05年に秋華賞を制覇。こちらも、牝馬3冠で4・2・1着と素晴らしい活躍を見せました。

 母エアワンピースは条件戦を3連勝した後に、脚部不安を発症して現役を引退。それでも、13戦して1~5着を外したのが3回という、この血統特有の堅実さをしっかりと守り抜きました。ちなみに、エアデジャヴーは13戦してわずか2回。エアメサイアに至っては、12戦して全て掲示板を確保しました。

 一族を熟知する笹田師によると「メサイアはすごい爆発力があるのに、手を抜くというか、死にもの狂いで走らないところがあった。そのへんは(息子の)スピネルも同じなんだ」とのこと。堅実という褒め言葉の裏には、秘めたる能力を出し切っていないもどかしさがあるようです。

 ロロノアにもまだ隠し持っている武器がありそう。必死に走れば、爆発的な末脚を放っても何ら不思議はありません。ブレのない笹田流の調整は相変わらずグッド。G1の舞台で、ひと皮むけた走りを期待したいところです。(デイリースポーツ・松浦孝司)

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