【ジャパンC】テーオーロイヤル 種牡馬の良さを引き出す牝系 粘り強い走りを存分に
「ジャパンC・G1」(27日、東京)
旧友の湊助手(岡田厩舎)が担当しているとあって、メイショウハリオは出世する前から苦労話をよく聞いていた。気性が激しく、調整の難しいタイプ。「(父の)パイロがそうだったらしいで。ネットで“パイロ棒”って調べてみなよ。笑うから。一度、暴れ出すとほんまにキツい」そうで、5歳秋を迎えた今でも、取り扱いには気が抜けないそうだ。
今回紹介するテーオーロイヤルは、ハリオの1つ下の弟。湊助手に「この兄弟は似てるの?」と質問すると「全然似てない。あっちはかわいい(笑)。性格から、体つきから…全く違う。たぶん、父親の違いだろうね」と返ってきた。
ロイヤルの父リオンディーズはわずか5戦で現役生活を終えてしまったが、名牝シーザリオの子らしい爆発力を備えた馬だった。ハリオ&ロイヤルの兄弟と同じように、3つ上の兄エピファネイア(父シンボリクリスエス)とは性格が真逆だったよう。キンカメ産駒のリオンは「エピファと違って扱いやすい」とかつて角居元調教師が話していたことを思い出す。
母メイショウオウヒに目を向けると、ファミリーには02年皐月賞馬ノーリーズン(父ブライアンズタイム)や、94年阪神3歳牝馬S(現・阪神JF)を制したヤマニンパラダイス(父ダンジグ)などがおり、この牝系は“種牡馬の良さを引き出す”傾向にあるようだ。この能力こそが、一族の繁栄につながっているように思える。
父リオンディーズ×母父マンハッタンカフェは、サンデーサイレンス4×3のクロスが効果的。同世代に昨年の兵庫CSを制したリプレーザがおり、この配合は相性が良さそうだ。日本代表として挑む大舞台。芝の中長距離で素質が開花したロイヤルには、持ち味の粘り強い走りを存分に発揮してほしい。