【有馬記念】福永祐一 ラストGPで初戴冠を!初騎乗ボルドグフーシュ「いい状態」
「有馬記念・G1」(25日、中山)
来年3月から調教師に転身する福永祐一騎手(46)=栗東・フリー。ジョッキーとして臨む最後のグランプリに、初コンビとなる菊花賞2着馬ボルドグフーシュ(牡3歳、栗東・宮本)で参戦する。98年のキングヘイロー(6着)から13度挑戦し、いまだ手にしていないビッグタイトル。大一番を前にした今の胸の内を明かした。
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-騎手として最後の有馬記念。ボルドグフーシュとのコンビが決まった。騎乗依頼を受けた時の気持ちは。
「そりゃ、うれしかったよ。良かった。最後の有馬が“乗り馬なし”やったら寂しいなって思っていたから。しかも、菊花賞2着馬で力があるしね」
-14日がファーストコンタクト。栗東CWで4馬身先着した。
「先行馬を追い掛ける感じで。“1週前なのでしっかりめにやってほしい”という指示だった。ある程度負荷をかけておいた。動きも時計も良かったし、いい状態なんじゃないですかね」
-初コンビとなるが、印象は。
「大体、イメージ通り。少し不器用な感じはあるけど、操作性が非常に高くて、長距離で上手に走れるタイプの馬だなと感じた。器用さがない分、中山ってところがポイントになるのかな」
-トリッキーと言われる中山2500メートルのコースについて。
「器用さを求められる。もしくは先行力。後方一気もたまに来る時があるけど、ハマらないとね。1番人気で臨むには嫌なコース。合う馬、合わない馬が出てくる」
-枠について。
「外枠は圧倒的に不利。すぐにコーナー。いくら逃げ、先行馬でも不利やね。後ろから行く馬ならそんなに不利じゃないけど、それでもロスはある。枠によってはノーチャンスになる馬が出てくるから」
-枠が違ったら結果が変わったと思う馬はいたのか。
「シュヴァルグランかな。16頭立てで⑯番だった」
-自身の有馬記念は外枠が多かった。
「マジ?ボルドグフーシュは内枠でどうかってところもあるけど。ゴツい馬だし、内枠でも後ろになるだろうから」
-レースの見立てを。
「タイトルホルダーが楽に逃げる形かな。長くいい脚を使いそうなので、それが生きる流れになってくれればいいですね」
-有馬記念は過去13回騎乗。
「あまりいい成績じゃない。そんなに人気馬にも乗っていないしね。マイル路線の馬が多かったから、有馬に使う馬が少なかった。最近やからね。(お手馬に)長い距離の馬が多くなったのは」
-初騎乗はデビュー3年目。98年のキングヘイロー。
「そうね。いろいろな距離を走っていて。2500メートルでも最後はちょっと来ていたもんなぁ。有馬記念はメチャクチャ盛り上がるから。パドックもそうだし、馬場入りとか気持ち良かったよ。返し馬は全馬オーって歓声がすごかったし。昔はすごかった」
-印象に残っている有馬記念は。
「トゥザグローリーかな。よく覚えている。ドスローの一団で。すごい狭い所からビューッと伸びてきた。ジャスタウェイは引退レース。大体、人気よりも前に来ているんじゃないかな。人気でドカッと負けてはいない。2500メートルの結果とか結構いいはず。中途半端な距離が得意やから(笑)。1800メートルとか2200メートルとかね」
-有馬記念は特別なもの?
「やっぱり乗っていないとね。この間のジャパンCも裏で見ていて寂しかったけど、有馬は特にやなぁ。裏開催で乗っていると、ひどく寂しい気持ちになる。ジャパンC、有馬記念は乗るのが難しいレース。継続してコンビを組んでいる馬じゃないと、なかなか参加しにくいからね」
-調教師試験合格の3日後。11日のカペラSをリメイクで制した。場内のファンの反響は。
「意外におとなしくて…マナーがいいのかな(笑)。でも、“合格おめでとう”みたいなのはあったよ。リメイクはずっと一緒にやってきた馬だし、うれしい。最初は砂もかぶれなかった。ああいうのがいいよね。良くなるもん、馬は。こうやって結果に出るとやりがいを感じる」
-ジョッキーとしては残り2カ月ほど。騎乗できるJRAのG1は有馬記念、ホープフルS、フェブラリーSの3つになる。
「変わらず全力を尽くして最善の結果を出せるようにしていきたい。各レースが最後になるという気持ち。これから、そう感じるかな」