【有馬記念】タイトルホルダー&横山和生 最後も主役 帰国初戦も不安なし
「有馬記念・G1」(25日、中山)
コンビ結成から丸1年。確かな実力を身につけ、固い絆で結ばれた横山和生騎手(29)=美浦・フリー=とタイトルホルダー(牡4歳、美浦・栗田)が、22年最後の大一番に挑む。果敢に挑戦した前走の凱旋門賞は11着という結果に終わったが、春に天皇賞&宝塚記念で見せたパフォーマンスは、間違いなく現役最強を示すものだった。ファン投票史上最多となる36万8304票を力に変えて、最後まで主役の座は渡さない。
大きな重圧よりも、意気に感じていた。ファン投票1位となったタイトルホルダーの得票数は、21年のエフフォーリアが記録した有馬記念歴代最多の26万742票をはるかに上回る36万8304票。ファンの高まる期待に、主戦の横山和は「すごい票数ですよね。また有馬記念という舞台に立てるということは、すごく幸せです」と目を輝かせた。
コンビ結成は、ちょうど1年前の有馬記念。その時こそ5着に敗れたが、その後は快進撃を続けた。日経賞を勝ってG1に挑むと、天皇賞・春、宝塚記念と立て続けに圧巻の強さを披露。秋初戦の凱旋門賞こそ欧州の重馬場に苦しんで11着に敗れたが、パートナーへの信頼は揺るがない。「期待に応えたいですし、そういう走りをしてくれるはずです。タイトルホルダーらしさを出せるように頑張っていきたい」と意気込む。
大一番に向けての調整も順調だ。15日に行われた美浦Wでの1週前追い切りは、自らまたがって5F66秒9-37秒6-11秒5を計時。海外遠征による疲労が心配される中で、「折り合いを確かめつつ、どういう気持ちで走っているか、4コーナーで出した時の対応など、一つ一つ確かめながらでしたが、折り合いはうまくついたと思う。ラスト100メートルはもう少し躍動感が欲しかったけど、馬場を考えれば動いています。不安要素はなく、海外帰りからここまで来てくれたのはすごく良かった」と振り返った。
勝てば20年のクロノジェネシス以来、史上12頭目となる同一年の春秋グランプリ制覇。さらには、有馬記念史上初となる弟・武史(21年エフフォーリア)との兄弟制覇となる。そして、年間G1・3勝となれば年度代表馬の座もグッと近づく。だが、「それは終わった後に付いてくるものなので」と意に介さず。「すごい馬ばかりだから、それぞれに大きな武器があります。それでも他の馬に気を取られないよう、タイトルホルダーとの走りに集中したい」と気持ちを高めた。国内では5戦負けなしという逃げ戦法に出るのか、それとも…。頼れるパートナーと呼吸を合わせて偉業に挑む。