【有馬記念】14年ジェンティルドンナ “ドラ1”絶好枠引き当てた最高の結末
「有馬記念・G1」(25日、中山)
メッシ擁するアルゼンチンの優勝で幕を閉じた22年最大のスポーツの祭典・サッカーW杯。過去のW杯イヤーにおけるグランプリ覇者にスポットを当てて歴史を振り返る。
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14年に有終Vを飾ったのが、希代の名牝ジェンティルドンナだ。同年3月のドバイシーマクラシックを制したものの、その後は⑨②④着と勝ち星に見放されていた。それでも、担当の日迫助手(現・平田厩舎)は「叩き3走目で出来が良くなっていたし、内心は自信があった」と女王の復活を信じていた。
レース当日に引退式が控えているとあって、力が入る大一番。「仮に負けたとしても、いい競馬をして、いい形で終えられればと思っていた」。ゴールドシップ、ジャスタウェイ、エピファネイアなど、メンバーはそうそうたる顔触れ。それでも、枠順ドラフトで一番くじを引き当て、絶好の2枠④番をゲットし、さぁ本番。戸崎圭の好騎乗に導かれて鮮やかに抜け出した。「最高の形で締めくくれた。表彰式の後、たくさんのファンに声を掛けてもらってうれしかった」と笑顔で振り返った。
レース後は中山競馬場から直接北海道へ。「僕は競馬場でお別れしたんだけど、ともにラストランだったヴィルシーナと馬運車が一緒でね。良きライバルだったし、最後にみんなで記念写真を撮ってね。あれがいい思い出」。ライバル同士、今は生まれ故郷で第二の馬生を送っている。
22年のグランプリには、娘のジェラルディーナが参戦。石坂正師が定年し、厩舎が解散になった21年2月末まで担当しており、「3番子で、あんなに早くG1を獲れるとはね。活躍している姿を見るのは素直にうれしいよ。母娘制覇?期待したいね」とエールを送っていた。