【東京新聞杯】インダストリア 実力は本物 NHKマイルC5着はダテじゃない
「東京新聞杯・G3」(5日、東京)
近年では2018年リスグラシュー、19年インディチャンプなどが、ここでの勝利をきっかけにG1馬へと成長していった出世レース。今年の注目は、昨年のNHKマイルC5着馬インダストリアだ。ダノンスコーピオンやセリフォスと好戦を演じた実力馬が、重賞初制覇を飾ってG1ロードへ殴り込みをかける。
4歳を迎えたインダストリア。昨春は世代のトップクラスとしのぎを削り、NHKマイルCでは勝ち馬ダノンスコーピオンから0秒4差の5着に好走した。のちにマイルCSを制して最優秀短距離馬に輝く4着セリフォスとはわずかに首差。同期のライバルと差のない勝負を演じた実力は、紛れもなく本物だ。
ダートに挑戦したユニコーンS(13着)後は、立て直しを図るために休養へ。なかなか順調には進まず、復帰は年末までずれ込んだが、中山の準オープンを自慢の豪脚で一刀両断。再び重賞の舞台に戻ってきた。年長馬相手の重賞戦は初めてとなるが、これまでの戦歴から何ら気後れすることはないだろう。
今は気力、体力ともに充実している。1月31日は美浦坂路を15-15で1本。馬場から引き揚げてくると、立ち上がろうとするヤンチャぶり。そんな姿に、宮田師は「相変わらず元気いっぱいだね」と苦笑いするが、余力たっぷりならその分、調整も進めやすい。
年末に勝ち上がってすぐに短期放牧。1月下旬の帰厩でも見た目には緩んでいない。トレーナーは「少し爪を痛がったり、背腰に疲れが出たりでケアしながらだったけど、仕上がりは十分及第点。古馬重賞は初めてで同期にも強い牝馬がいるけど、こっちもNHKマイルCの段階よりひと回り成長しているからね」と自信を隠さない。さあ、出世の階段を駆け上がる時が来た。