【フェブラリーS】福永祐一「乗れて良かった」いざJRAラストG1 オーヴェルニュで締める
「フェブラリーS・G1」(19日、東京)
2月末で四半世紀を超えるジョッキー人生にピリオドを打ち、3月から調教師に転身する福永祐一騎手(46)=栗東・フリー=が、ついにJRA・G1ラスト騎乗を迎える。コンビを組むのは、21年平安SでともにレコードVを決めた7歳馬オーヴェルニュ。国内最後の大一番に向けての思い、自身のこれまで、そして引退が迫る今の胸の内について語った。以下、一問一答。
-いよいよ、フェブラリーS。福永騎手にとってはJRA・G1ラスト騎乗になる。
「乗れて良かったなと思う。ただ、G1でもやることは同じ。そこまで感傷的ではないかな」
-引退だな、最後だなと感じることは。
「年明けからも、いつもと同じ感じで乗っていたけど、さすがにあと3週ってなった時は“あと3週間で終わりなんや”って思ったね」
-騎手として絶頂期の今、突然の引退となった。アスリートの引き際についてどう思うか。
「“アスリート”って感覚ではない。あくまでも個人的な意見だけど、競馬のアスリートは馬だと思っているから。自分はドライバーみたいな。引き際っていうけど、途切れていないのよね。騎手としては終わるけど、次は調教師としてそのまま続いていくし。次に行くって感じ」
-父は“伝説の天才騎手”福永洋一氏。2世のプレッシャーはなかったのか。
「既に引退していたから。現役だったら比較されるので騎手をやっていなかった。中学までは興味がなかったし。一度も親父を超えようと思ったことがない。いつまでも洋一の息子に変わりはないからね」
-数々の記録を打ち立てたが、ひときわ光るのがダービー3勝。
「それも縁。ずっと縁がないんかなって思っていたけどね。友道先生、矢作先生、藤原先生との縁。前田幸治オーナーとの縁はデビューした時から。…ダービーを3勝して、これ以上やることある?(笑)」
-調教師試験合格後の心境は。
「調教師の準備は3月以降にしようと。騎手という仕事をおろそかにすることは性格上ないし、全うしたいな、って思いがある」
-さて、フェブラリーSの話題に。オーヴェルニュとのコンビは昨年の帝王賞9着以来。
「もともと気難しい馬。コンスタントに走るタイプじゃないけど、(21年の)平安Sは強かった。うまく気持ちが向けば。強い時は強いから」
-1週前の追い切りの手応えは。
「ゆっくり行ってしまいを伸ばした。身のこなしはすごく良かったよ」。
-21年フェブラリーSは13着(丸山が騎乗)。
「あの時は輸送で減ったので(16キロ減)体調の問題。度外視していい。長い距離よりも短い所やなっていう調教の動き方をしている。脚抜きのいい馬場がいい。ビューンって脚を使うから千六が合う可能性もあるし、右回りだと左へ抜けるから左回りもいい」
-福永騎手自身はフェブラリーSで過去2勝。
「メイショウボーラー(05年)はノーステッキ。レコードで強かった。カフェファラオ(22年)もレコードタイで速かった。最近はダート馬もスピードが出てきた。俺、ダート重賞の複勝率かなり高いでしょ(笑)。今年は混戦だと思う」
-先週終了時点で福永騎手は全国リーディング5位。関西では3位につけている。
「今が一番いい乗り方ができていると思う。去年よりも今年の方がいいし、まだまだうまくなれそうやな、って。調教師の勉強をして、俺やったらこうしてほしいな、って乗り方をしているんだろうね。次にもっと良くなるっていう競馬」。
-後輩騎手にメッセージを伝えるとしたら。
「これからの頑張り次第でどうにでも変わる職業。自分の限界を決めずに、騎手って仕事を味わい尽くしてほしい。俺なんて40歳からやから。誰でもそうなれる。考えと行動で人生を切り開ける」
(続けて)
「俺は味わい尽くしたから。次に自分がやりたいことも選べて、サポートしてくれる家族がいる。ありがたいよ」