福永祐一 涙で日本のターフに別れ 国内ラスト騎乗「最高のジョッキー人生」
3月から調教師に転身する福永祐一騎手(46)=栗東・フリー=が19日、国内ラスト騎乗を終えた。東京競馬場で7鞍に騎乗。フェブラリーSのオーヴェルニュは12着に終わったものの、9Rのペリエールで勝利を挙げるなど、変わらぬ華麗な騎乗で日本のファンに別れを告げた。
12R終了後にはセレモニーが行われ、師匠の北橋元調教師や親交のある歌舞伎俳優の市川團十郎、妻でフリーアナウンサーの松尾翠と子どもたちも駆けつけた。花束贈呈は東西のレジェンド柴田善、武豊から受け取り「順番が違うだろと言われました(笑)。僕も結構いいおじさんですが、僕よりおじさんの2人よりも先にこのような形になるのは複雑です」と、集まった多くのファンを笑わせた。
正式な引退式は3月4日に阪神競馬場で予定。「それまで気持ちをセーブしようとしていた」と言うが、自身の重賞初勝利やダービー3勝を挙げた思い出深い東京競馬場に話が及ぶと言葉を詰まらせた。「最高です。無観客の時もありましたが、それでも…」。一瞬、場内に沈黙が流れたが、ファンの温かい拍手と声援を受け、「…最高でした。最高のジョッキー人生でした」と言葉を絞り出した。
ジョッキーとしてのオーラスは25日のサウジCデー諸競走。「馬上からの景色は日本では見納め。しっかり目に焼き付けた。サウジを控えているので、全てが終わるまでは気が緩んでしまわないようにね」。騎手・福永祐一。いよいよ、その集大成が近づいている。