【フェブラリーS】レモンポップ新砂王襲名 レース史上最年少37歳で田中博師初G1タイトル
「フェブラリーS・G1」(19日、東京)
今年最初のJRA・G1は、1番人気のレモンポップが好位から楽々と抜け出して、“新砂王”の座に就いた。デビューからの連続連対記録を11に伸ばした。初コンビで勝利に導いた坂井は、自身3度目のG1制覇。田中博師は開業6年目で初のG1タイトル奪取で、37歳2カ月15日での勝利はレース史上最年少Vとなった。2着は3番人気のレッドルゼル、3着は大きく出遅れた4番人気のメイショウハリオだった。
強い!勢いに乗った5歳馬レモンポップが、一気に新たなダート王へと駆け上がった。
抜群のスタートを決めると、行く馬を行かせて好位の4番手。4角を回っても手応えは楽。直線ラスト300メートルあたりで、先行馬を外から馬なりでかわすと、一気にセーフティーリードを広げた。後ろから歴戦の猛者たちが追い込んでくるが、鞍上のこん身のステッキに応えてもうひと伸び。レッドルゼルに1馬身半差をつける、まさに完勝だった。
テン乗りで頂点へと導いた坂井は、右手で大きくガッツポーズ。「調教に乗せていただいた時に乗りやすい馬だと思いましたが、きょうは想像以上にどっしりして、安心感がありました」と笑顔。自身は昨年の2勝に続く、G13勝目。「責任を果たせてホッとしています。かなりプレッシャーのあるレースでしたが、すごい馬。最後も脚が上がっていなかったし、負ける感じはなかったですね」と声を弾ませた。
田中博師は開業6年目で初のビッグタイトル。37歳2カ月15日での戴冠は、レース史上最年少Vだ。「とてもうれしいです」と初々しくはにかんだ。決して順調な時期ばかりではなく、デビュー当初に約1年の休養も経験。前走から間隔が詰まる点、G1初挑戦、距離延長…。慎重に状態の把握にも努めて出したゴーサインが実り、喜びもひとしおだ。
新王者の次走について師は「ゴールデンシャヒーン・G1(3月25日・UAEメイダン)にも選出されてますが、ダメージを見せない子なので、慎重に見極めて、オーナーとも相談して」と話すにとどめたものの、「5歳だけど、これから充実していく馬。ますます活躍させたい」とキッパリ。限りない可能性に、夢は広がるばかりだ。