【ボート】児島一般戦 完全V男・藤原啓史朗が地元V2 SGダービーを控えた原田幸哉はまさかのF
「一般戦」(16日、児島)
優勝戦は速いスタート合戦。シリーズをリードした地元の藤原啓史朗(33)=岡山・112期・A1=がインからコンマ03のSで逃げ切った。2コースから鋭く差した丸岡正典(大阪)が2着。道中追い上げた村岡賢人(岡山)が3着でゴール。機力不足に苦しみながら優出を果たした原田幸哉(長崎)は3コースからS勝負に出たが、SG・ダービー直前の一般戦でプラス03のFに散った。
初優勝の20年5月以来、2度目の地元Vを飾った藤原は「レース間のS特訓と風が全然変わってスタートは難しかった。丸岡さんと原田さんが見えたので放りたくはなかったが、直前で放った。審議のランプがついた時は一緒に切ったかと思った」と一瞬ヒヤリ。「丸岡さんがいいターンをされていたが、エンジンの力で勝てた」と冷静に振り返った。
今年は7月びわこG2で完全優勝を飾り、児島のオーシャンカップでSGデビューと大ブレーク。「茅原悠紀さんがグランプリに出られるし、吉田拡郎さん、山本寛久さんもG1で優勝された。岡山支部の一員として盛り上げたい。シリーズでもいいので、近くでグランプリを味わいたい」と次の目標を定めた。
初優勝時はコロナ禍で無観客だったが、今回は大勢のファンがスタンドから応援。スタート直後、児島ボートの熱すぎる実況でおなじみの椛島健一アナウンサーの「うぉぉぉ~速いスタート」の声に場内は騒然。藤原ファンから「やめて~」と悲鳴が上がった。表彰式には、手作りうちわやタオルを持った子どもや、熱烈な女性ファンが集結。その中で、メッセージボートを掲げた男性ファンがまぶしそうに藤原をみつめていた。「私は立教大学の先輩です。啓史朗君は素晴らしい」と後輩の勇姿に感無量の表情。立教大学卒業後、大手企業の内定をもらいながらボートレーサーを志した藤原を、立教大学OB会も応援。クレバーで冷静、メンタル最強の藤原の躍進はこれからも続く。