【競輪】01年日本選手権優勝の稲村成浩が引退 「精いっぱい選手としてできることはやりました」

 2001年3月の日本選手権(ダービー、松戸)でG1初優勝を達成した稲村成浩(52)=群馬・69期・A1=が引退することが4日、明らかになった。

 稲村は特別競輪V2の雅士(16期)を父に持ち、前橋工業高校時代から自転車競技で活躍。1990年世界選手権のタンデムスプリントで斎藤登志信(宮城)とのペアで銀メダル獲得。高校卒業後は69期として日本競輪学校(現日本競輪選手養成所)に入学。在校1位で卒業すると、1992年4月のデビュー戦(前橋)を3連勝の完全優勝でクリア。S級へ特別昇級すると、2001年3月松戸の日本選手権でG1初優勝を達成。親子でのG1(特別競輪)制覇を達成した。近況は4月の西武園G3を最後にレースから離れていた。

 デイリースポーツの取材に応じた稲村は「ここ数年は腰の状態が悪かった。父が59歳まで現役競輪選手を続けていたので、自分も59歳まで続けようと思い、今年の5月に腰の手術をした。8月の復帰に向けて練習をしていたが、今度は膝の痛みが出てしまった。東京の病院で診察してもらい、軟骨に亀裂が入っていて、この年齢での膝の手術はすすめないと医者に言われた。群馬に帰る新幹線の中で引退しようとと決めました」と引退に至った経緯を話した。

 選手生活の思い出を聞くと「自力で優勝することができた松戸ダービー。まくり4連発で勝つことができて本当にうれしかった。自転車競技ではナショナルチームとして2000年のシドニーオリンピックに出られたこともうれしかった。あとはS級1班に30年間在籍できたことは自分の中で誇れることですね」と振り返った。

 「辞めることに悔いはない。精いっぱい選手としてできることはやりました。選手生活は全うしました。今後は少しゆっくりしたいですね。いままで家族にはレース中心のスケジュールで迷惑をかけていた部分もあると思う。まずは家族サービスをしたい」と話した。

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