【競輪】古性優作が番手まくりで富山記念V 巧みなハンドルさばきで12回目のG3制覇
「瑞峰立山賞争奪戦・G3」(1日、富山)
古性優作(33)=大阪・100期・SS=が石塚輪太郎(和歌山)の番手からまくり、8月のG1・オールスター(平塚)に続いて優勝を飾った。G3優勝は5月の函館記念以来12回目。2着は外を伸びた吉田拓矢(茨城)で、3着は古性の後ろに切り替えた菅田壱道(宮城)が入った。
さすがの判断とハンドルさばきで人気に応えた。4対4の2分戦。前を任せた石塚が新山響平(青森)を相手に赤板前から2周近く踏み合った。最終バックでは守沢太志(秋田)が自力に転じ、いいスピードでまくってきたが、そこで古性は真価を発揮した。「前で2人がもがき合っていて、吉田君が来るかなと思ったら守沢さんが見えた。自分が(新山と石塚の)中に入って新山君を持って行けば(外の)守沢さんは膨れると」。思惑通りに守沢が止まると、そのまま先頭に立って力強くゴールを駆け抜けた。
今節はオールスターの激闘後で精神的にきつかったと言う。それでも頑張れたのはファンの思いを背負っていたからだ。「ファン投票1位に選んでいただけた。自分のためだけじゃなく、もう一つプラスされていました」と熱く話した。当然、次のG2・共同通信社杯(13~16日・宇都宮)も優勝の期待が掛かる。「早く帰って練習したい。強い選手はいくらでもいるので本当の意味での強さを手に入れたい」。ストイックな最強オールラウンダーは表情を引き締めた。