【競輪】熊本記念は深谷知広が制圧 震災復興に尽力した地で通算21回目のG3優勝

 モデルのMIRANO(左)に祝福される深谷知広
 ミャクミャク(左)、ファイ太(右)と記念撮影に応じる深谷知広
 モデルのMIRANO(左)に祝福される深谷知広
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 「火の国杯争奪戦・G3」(6日、熊本)

 熊本地震の影響から復旧し、今年7月にリニューアルオープンした熊本競輪。当所で9年ぶりの開設記念シリーズは深谷知広(34)=静岡・96期・SS=が最終3角7番手からのまくり追い込みで1着。5月の武雄記念以来で今年2回目、通算21回目のG3優勝を飾り、賞金520万円を獲得した。打鐘先行の町田太我(広島)を差した松浦悠士(広島)が2着、松浦を追走した隅田洋介(岡山)が3着に入った。また、この開催(4日間)の売り上げは62億2229万2900円で、目標の52億円を大きくクリアした。

 2016年4月に熊本地震が発生。深谷はたびたび熊本を訪れ、震災復興イベントに協力した。9年ぶりに当所で実施された熊本記念。リニューアルされたバンクでVゴールを駆け抜けて、思わずガッツポーズが出た。「ナショナルチームに参加していて、支援は微力でしたが、それでも熊本のみなさんは覚えてくださっていて、力になれて良かったです」。復興への思いを背に戦ったことを明かした。

 レースでの深谷は周回中4番手。「いい位置が取れてチャンスはあると思いました。脚をしっかりためられました」とニヤリ。いったん嘉永泰斗-中川誠一郎(ともに熊本)が出切り、打鐘で町田-松浦-隅田が巻き返し、勝負どころでは単騎の坂井洋(栃木)がまくり上げ、前団はかなりもつれる。慌てず落ち着いていた深谷は、最終3角から始動。「踏み込んで行けると思いました。あおりやアクシデントにだけ気をつけました」。番手から抜け出しを図る松浦をきっちり抜き去って1着でゴール。2009年7月デビューから1021走で通算400勝を達成した。

 そして今年は35勝。S級で1位だ。S級S班に在籍しており、高いレベルでの戦いで1着を量産できている。それに今年の獲得賞金は10位まで上昇。KEIRINグランプリ2024(12月30日・静岡)出場へも前進した。「一戦一戦を勝てるように走るだけです。全力で走って、その結果が付いてくればいいと思います。その位置にいることを楽しみながら頑張ります」。次はG1・寬仁親王牌(17~20日・弥彦)。震災復興に尽力した地で優勝した勢いで、弥彦でも優勝戦線をにぎわせる。

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