2009/03/08 尼崎競艇
▼JAL女子王座決定戦 | |||||
着順 | 連番 | 選手名 | 住所 | 進入 | ST |
1着 | B | 新田 芳美 | 徳島 | 4 | 34 |
2着 | @ | 横西 奏恵 | 徳島 | 1 | 27 |
3着 | E | 寺田 千恵 | 岡山 | 6 | 21 |
4着 | C | 谷川 里江 | 愛知 | 2 | 38 |
5着 | D | 山川美由紀 | 香川 | 5 | 16 |
失格 | A | 浅田千亜希 | 徳島 | 3 | 32 |
「G1第22回JAL女子王座決定戦」は8日、尼崎競艇の最終日12Rで優勝戦が行われ、まくった山川美由紀、イン横西奏恵の競り合いを突いた新田芳美(39)=徳島・66期・A2=がまくり差しで抜け出し快勝。デビュー18年10カ月で女子王座初優出―初戴冠の快挙を達成し、優勝賞金750万円と17日に開幕する多摩川総理杯の出場権を獲得した。立て直した横西が2着、谷川里江に競り勝った寺田千恵が3着に入った。
横西でもなく浅田でもない、伏兵・新田が激戦を勝ち抜いた。
5カドの山川がコンマ16のトップS。「黄色(山川)が伸びてきたので、もうだめだと思った」。カド受けの新田には最悪の展開となったが「逆に外側にかわれて良かった」。伸び返した横西と山川が競り合い、大きくあいた1Mを冷静にまくり差し。BSは残した横西との並走になったが2Mは譲らなかった。「横西さんが握ってきたら握ろうと思った。その気配がなかったから落ち着いて回れました。でもレバーがふるえて握れなかった。選手生活で初めて」。食らいつく同郷の後輩・横西を振り切り、見事G1初優出で初優勝の快挙を成し遂げた。
「優勝戦は展開一本。“なんちゃって女王”ですね」と振り返るように、女王の称号を勝ち取ったという実感はまだ沸いてこない様子。16日前検のSG多摩川総理杯への意気込みも「自分が出ても良いのかという感じ。何もかもが初体験なので新人のつもりで頑張る」と謙虚な姿勢を崩さない。
ただ近況の好調を示すようにペラには自信を持っている。「主人(近藤稔也)が作ってくれたペラが動いてくれる。あといつも私を後押ししてくれる後輩の存在も大きい。いつもありがとう」と感謝の思いは尽きない。周りに支えられてつかんだ総理杯の切符。リズムに乗った新田が無欲の走りでSGデビューを飾る。
1周目1マークで差しを決める新田芳美(左上から3番目)
【混戦も1周2M先取りで決着】
S展示では谷川が強引な前付けに動いてインコースを奪い、4123・56の並びに。本番は横西が突っ張って100メートル起こしのイン戦を選択し、進入は1423・56に変わる。スリットは中へこみの隊形になり、カド鋭発の山川がまくるが横西も応戦。流れた両者の内懐に新田がまくり差し、食い下がる横西にバックで伸び勝ち2M先取りで決着をつけた。横西は小差で追走するが、逆転には至らず2着止まり。2周1M差しで谷川を競り落とした寺田が3着に入った。
女子王座V4を狙っていた横西だったが、前人未到の記録はならなかった。「1Mはまくってきた山川さんを飛ばしにいったし、差されるのは仕方ない。スタートは思ったほど届いてなかったけど、BSで伸び返したし、1周2Mは先に回ろうか一瞬迷った。悔いはないですよ」と激闘をたんたんと振り返った。
戦える(接戦)状態にもっていける脚はあった。1Mハンドルが入らなかった。3等に入れば上出来です。
だれも動かなかったし、進入思い切っていった。私はそういう係ですね。こういう存在も必要でしょう。脚良かったけど、スタートで後手踏んだし仕方ない。
惜しかったなあ。スタートは遅かったけど、他と比べると遅れてないし満足。脚はまあまあ良かった。
スタート遅れたし、1Mの展開もなかった。仕方ないね。コースは(2)か(3)を考えていた。
新田芳美(にった・よしみ) 1969年12月4日生まれ、39歳。身長155センチ、体重45キロ。血液型はB型。県立小松島西高等学校卒業。競艇学校66期を卒業し、90年5月に鳴門でデビュー。96年11月の地元・鳴門女子リーグで初優勝。女子王座は初優出で初優勝の快挙。通算優勝回数は9回。通算生涯獲得賞金額は2億8998万4630円。