【ボート】井口笹川賞連覇へ弾みつける
「トーキョーベイカップ・G1」(11日開幕、平和島)
「開設59周年記念G1トーキョー・ベイ・カップ」が、11~16日までの6日間で開催。トップクラス52人が集結して、熱いバトルを繰り広げる。注目は“銀河系軍団”85期の男女エース・井口佳典と田口節子だ。ともに当地を大得意としており、賞金王&賞金女王を目指す上での大きな弾みとする戦いとなる。そろい踏みする初日ドリーム戦「トーキョー・ベイ・ドリーム」から目が離せない。
堂々のドリーム戦1号艇で登場した、3月の当地総理杯。結果は準優5着と消化不良だったが、その存在感は十分に見せつけた大会だった。手にしたエンジンはワーストに近い低調機。それでも2日目には快速モードに仕上げ、ボート界屈指の調整力を披露した。
そこから2カ月。もちろん今回も主役として、平和島に帰ってくる。当地でSG初制覇を決めたのが08年5月の笹川賞。時期も文句なしだ。「もちろん平和島は思い出の水面だし、いつも結果も出ているイメージがあります」。ベイ・カップでは優勝こそないが、09年2月の第54回に優出2着がある。抜群の水面相性は、今回も大きな強調材料になるだろう。
新ペラ制度に変わってから1年。昨年は浜名湖笹川賞を制し、自ら「復活と言って下さい」と言い切った。代名詞でもあった「Sぶちこみ」を封印し、ペラやエンジン本体の調整ノウハウを地道に身につけた。その成果を5度目のSG制覇と言う形で出して見せたが、その流れは現在も衰えていない。
もちろん今年も、目指すのは「賞金王決定戦に出ること。それだけしかない」と言い切る。年末を目指す長い戦いはまだまだ続くが、井口が加速するのは5月が多い。笹川賞V2は言わずもがなだが、08年の当地笹川賞Vは直前の蒲郡周年記念を制しての登場だった。「決してリズムがいいわけではないけど、徐々に上がっている」という流れが、ここで最高潮に達する可能性は大いにある。
ここが終われば、次は連覇を目指す笹川賞。舞台は福岡で、井口にとっては平和島と違い、屈辱の思い出がある水面だ。賞金王決定戦に初めて進んだ07年。2コースから1Mエンスト失格という最悪の結果になった。
この悔しさを翌年の当地笹川賞V~賞金王決定戦制覇につなげ「福岡の賞金王があったから」と話せるようになったが、完全な“雪辱”は果たしていない。そこにつなげるためにも、相性抜群の平和島でひと暴れしておきたいところ。確かな整備力と、水面でのスピード感満点の攻撃力。85期“銀河系軍団”のエースが魅せてくれるだろう。