【ボート】田口は相性抜群!当地V4
「トーキョーベイカップ・G1」(11日開幕、平和島)
「開設59周年記念G1トーキョー・ベイ・カップ」が、11~16日までの6日間で開催。トップクラス52人が集結して、熱いバトルを繰り広げる。注目は“銀河系軍団”85期の男女エース・井口佳典と田口節子だ。ともに当地を大得意としており、賞金王&賞金女王を目指す上での大きな弾みとする戦いとなる。そろい踏みする初日ドリーム戦「トーキョー・ベイ・ドリーム」から目が離せない。
勝っては泣き、負けても泣く。陸の上でのたたずまいや言動から、田口に“女王”の貫禄を求めるのは無理がある。11年三国~12年3月多摩川と女子王座を連覇し、押しも押されもせぬ女子ナンバー1に君臨。しかし、田口は勝ち取った“最強”の座に、居心地の悪さを感じていた。
「レースを全然、楽しめない。自分で“これでいい”と思っても、周りが納得してくれない。SGに行っても、レベルの違いを感じるばかり」。
これだけ強烈なマイナス思考の持ち主ながら、水面に出ればきっちり結果を残す。昨年12月の大村賞金女王はF2のあっせん辞退期間中というハンディがありながら、優勝戦には1号艇で登場。超抜機を駆った三浦永理のまくり差しに屈したものの、存在感は十分に見せつけた。女子G1は4大会連続優出中。横西奏恵の引退もあり、嫌でも女子トップの座から離れることはない。
そのF2休みを消化して、今年の初戦は2月の宮島。5月末までは女子戦あっせん停止期間中とあって、男子との混合戦が主戦場となっている。その中で、4月末まで6節で優出4度はさすがのひと言だ。三国のMB大賞でF。8月の鳴門女子王座出走へ向けて、事故点が高くなった点はやや気掛かりだが、持ち味のS力にブレーキをかけることは考えにくい。
そして田口を大きく後押しするのが、水面相性の良さだ。ここまで当地はV4。直近2度の優勝はオール女子だが、08年6月には吉田拡郎、須藤博倫ら男子一線級をねじ伏せて優勝したこともある。水面に対する得意・苦手意識をハッキリ口にするタイプだが、好きな水面を問われれば「平和島」と即答する。
F禍がたたって出走回数が減り、7月からはA2に降格する。だが、それが女子王座~賞金女王と続く女子トップを争う戦いに影響することはない。現時点では賞金ランクのベスト12からは大きく離れているが、今回を含めてSG、G1の高額賞金レースが続くだけに一気に上昇してくることは間違いない。さらにここで優出となれば、それだけで年末の舞台は大きく近づく。昨年獲り損ねた栄光のティアラを目指して、最も得意の水面で田口が躍動する。