【ボート】“大器”松田祐季に上昇の波
「北陸艇王決戦・G1」(11日開幕、三国)
G1戦線が本格化した中、11日からは福井県のボートレース三国で「開設60周年記念・G1・北陸艇王決戦」が開催される。JR芦原温泉駅から無料バスで15分。すぐ近くには有名な観光スポット・東尋坊も控える。豪華メンバーがそろったが、一番気合が入るのはもちろん地元勢。2010年の賞金王決定戦を制した中島孝平(33)と、今年飛躍が期待される松田祐季(27)が、地元周年初制覇に燃える。
松田は昨年5月にSGデビュー(笹川賞・浜名湖)。いきなり水神祭も飾った。その後、順調にSG、G1でバリバリ活躍するもの…と思いきや、やや苦戦している。駆け足に登ってきたが、ここにきて記念戦線の壁にぶつかっている。ただ、今年に入って再上昇の兆しは見えている。
1月の尼崎周年では最終日まで1着こそなかったが、準優に進出。しかも9走で8回も3連単舟券に貢献した。2月のびわこ周年は予選終盤に連勝してベスト18に入った。少し記念戦にも慣れてきた印象だ。
今年1月の当地で行われた近畿地区選、直前に松田を直撃すると「やっぱりエンジンを出さないと、記念クラスでは勝負ができませんね。記念を走ることが少ないんですが、長い間準優に乗れなかった。今は乗りたいと思うようになっています」と言っていたことを思い出した。
2月のびわこ周年後、松田はG1を3節経験。優出どころか、準優にも進出できていない。ただ本人は「最近は調子自体が少しマシになってきました」。記念戦にも慣れ、リズムが上向いたところで念願の地元周年を迎える。
今回、松田は「予選突破を目指す」と語った。まずは準優進出が最低ノルマだ。もちろん、そこがゴール地点ではない。どん欲に“優勝”の2文字を狙っている。「勝負するには、どこでもきっちりエンジンを仕上げないと。やっぱり行き足、出足ですね。そこが仕上がれば、勝負になると思います」。デビューして5期(2年半)でA1に昇格した実力者が、G1で好走できないはずがない。大器が目覚める瞬間がようやく訪れた。