【ボート】平山新女王!4度目の正直

 「賞金女王決定戦・G1」(15日、芦屋)

 1号艇で断然人気を集めた平山智加(28)=98期・香川・A1=がインから力強く逃げ切って優勝。女子王座では過去3度敗れた優勝戦1号艇だったが、賞金女王決定戦の舞台で見事に“倍返し”を果たした。2着は海野ゆかり、3着には鎌倉涼が入った。11Rで行われた賞金女王シリーズ戦は山下友貴(27)=静岡・101期・A2=が優勝した。

 これまで何度も悔し涙を流した白い勝負服で最高の結果を残した。ついに手にした女子の頂点。右手を突き上げて真っ先にゴールラインを通過した。「決して得意なコースではない」と話すインから会心の逃げ切り。優勝戦1号艇で敗れた過去3度の女子王座ではSで失敗しただけに「Sだけ決まれば1Mまでは持つ。同体なら大丈夫だと思った」と全神経をSに集中して“鬼門”を突破した。

 今年の女子戦線は最初から最後まで平山が主役だった。1月尼崎周年で14年ぶりの男女混合G1制覇。そして賞金ランク1位で乗り込んだ今節もV。「良かったり悪かったりだったけど、トータルでは充実した一年だった。数多くの失敗があったから優勝できたと思う」と胸を張った。

 SG、G1戦線で培った実力と経験に加えて今節は運も味方に付けた。自力で1枠を手にしたトライアル1回戦に続き、枠番抽選では2度の白玉。そして最後も1号艇が転がり込んできた。勝利の女神は常に平山にほほ笑んでいた。

 悔しさをバネにして大きく成長した。「これまでは勝ちたいという気持ちが強すぎた。冷静に走れれば結果は付いてくる」。前検日に宣言した通りに最後まで自分の力を信じ続けた。「来年は今年以上の成績を残したい」。悲願の女子No.1に輝いた「心を込めた女子レーサー」の進化はまだまだ止まらない。

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