【ボート】森智也、変身決める

 池田浩二の2度目の賞金王制覇で幕を閉じた昨年のボート界だが、賞金王決定戦優勝戦では毒島誠、新田雄史ら初出場組が堂々優出を果たすなど、確実に新勢力が台頭してきた。新年・2014年に飛躍が期待される若手に注目だ。近畿地区からいまや全国区へ飛び立とうとしている森智也(24)=大阪・107期・B1を取り上げる。

 デビュー4年目の107期。2014年、森が覚醒の時を迎える。主戦場はダッシュ戦にもかかわらず、現在4期連続で勝率は上昇中。少しずつ、だが着実に地力を身につけている。「差しよりも、自分で攻めていくコースが好きですね。1Mだけでなく、道中握って行くところを見てもらいたいです」とニッコリ。甘いマスクとは逆に、レーススタイルは豪快そのものだ。

 また同期、後輩らが早々とスローを主張していく中で、「2年目くらいから、新鋭リーグ以外はしばらくダッシュ戦で行こうと決めました」と自分の中で設定した目標を地道に実行。その結果、納得の域まで勝率は上昇し、晴れて今期(13年11月以降)からは枠を主張するようになった。「今までダッシュでやってきて、いろいろ勉強になりました。少しずつ着も取れてきたし、いいタイミングだと思います」とキッパリ。

 本格的な“変身”デビューとなった昨年11月の尼崎では、スローからの1着は残念ながら奪えず。「1Mの感じがいつもと違うし、Sも勘とズレがある。それでも数をこなせば、その辺りは自信を持って行けると思います」と全く心配はしていない。焦らずに地力強化に専念してきた自負があるのだろう。

 一般的に“スローに入れるようになれば、勝率はそれまでより1、2点上がる”と言われている。土台がしっかりしている森ならば、結果は自ずと出てくるはずだ。「スローは慣れるまで大変だけど、その分楽しみもある。今年の目標はA級が最優先。もちろん優勝とかしたいけれど、具体的なものより、長い目で見て勝率を稼ぎたいです」とここでも堅実さをアピール。やまと学校リーグ戦勝率はNo.1で、元々の素質は高レベル。2014年が、飛躍の年となるのは間違いない。大暴れの予感がする。

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