【ボート】日本一早い賞金女王予想
2014年もデイリースポーツは女子ボートレースに密着します‐。昨年に引き続き、「日本一早いクイーンズクライマックス(賞金女王決定戦)12人予想」を実施。今年から優勝戦は大みそかに行われることになった。激しく華麗な戦いが予想される舞台に進出するベスト12戦士を大胆予想した。中でもデイリースポーツが最も注目するのは宇野弥生(27)=90期・愛知・A1。昨年は賞金ランク13位。わずか10万3000円差で涙をのんだ「スリットプリンセス」が12強返り咲きを目指す。
賞金獲得上位12人だけが出場することができるクイーンズクライマックス。女子ボートレーサーNo.1を決める昨年の大舞台に、宇野の名前はなかった。賞金ランク13位。12位とは約10万円差で次点。12位で進出した一昨年の第1回とは立場が逆転した。「昨年の後半戦は良かったと思うけど、前半で思うように賞金を稼ぐことができなかったですね。それに年末が近づいてからは、どこに行っても賞金の話ばかり聞かれて、楽しんで仕事をすることができなかった。ボーダー上にいた私が悪いんですけど…」と苦笑いで昨年を振り返る。
それでも今年の舞台・住之江の話題になると表情が一変。宇野にとって住之江は特別な場所だ。「弥生ちゃんよりスタートで前に行ったらフライングになっちゃう」と他の女子選手に言わしめる正確無比なスタート力が彼女の最大の魅力で、ファンから公募で選ばれたニックネームは「スリットプリンセス」。その攻撃的なスタイルを築き上げたのが住之江だ。「住之江は大好きな水面。だって私がスタートを覚えたのは住之江ですから。FKS(※1)を信じて、フライングのギリギリまでスタートを行くようになって、体でスタートのタイミングを覚えたんです」
だが、昨年はくしくもその大好きな水面でベスト12入りの夢が絶たれた。選考期間最終戦となった11月の住之江女子リーグ。最後のレースで1着を獲れば逆転12位だったが、結果は3着。「あまり過去を振り返るのは好きじゃないけど、あのレースに関しては、もっと何かできることがあったのではないかとは思いますね」
今年の目標は当然ベスト12に返り咲くことだ。「(開催時期が)年末になったし、やっぱり賞金女王に出ることをモチベーションにして頑張りたい。倍返し?そんなことは考えていません。1走1走を私らしく走れれば結果は付いてくると思ってます」。昨年の悔しさをバネに、今年の年末は大好きな住之江で躍動する「スリットプリンセス」の姿が必ず見られるはずだ。
(※1)FKS…フライング警報装置の略称。スリット付近で自動的に計算して、フライングになりそうな選手に音で警告してくれる住之江独自の装置。95年に導入されたが03年に廃止となった。