【ボート】智也GRANDE5に近い男
いよいよ16日から、今年のSG第1弾「第51回ボートレースクラシック」が東京の平和島ボートで開幕する。14年5月から、新表彰制度がスタート。歴史のある5SG=GRANDE5すべてを制覇するグランドスラム達成者には3億円相当のインゴットが贈られることが決まっている。現在のメダル獲得者は8人。昨年のMVP・山崎智也(41)=群馬・71期・A1=は、すでに2つのメダルを獲得している。また、新世代の代表格・篠崎元志(30)=福岡・96期・A1=もグランドスラムを目指す。
5SG競走全てで優勝=グランドスラム達成へ、最も近い男と言えるのが山崎智也だ。昨年はボートレースオールスターと年末のグランプリを制し、現在2個の金メダル(グランプリはプラチナ)を所有。「良かったと思う」と振り返る2015年を経て、今年は残っているクラシック、メモリアル、ダービーのメダル奪取となるかに注目だ。ただ周囲の期待とは裏腹に「まだリーチがかかってないから、(グランドスラムは)意識してないですよ。リーチがかかってからですね。今年、メモリアルが(地元)桐生で開催されるということも、全く意識してないです(笑)」と本人はメダルよりも目の前の一走に集中しているようだ。
もともと「毎節、準優に乗ることが目標。走るレースを頑張るだけ」と淡々と語るように、陸の上では闘志を前面に押し出すタイプではない。そんなトモヤがいつも念頭に置いているのが「なるべくFは切らないように、意識して走っている」ということだ。最後にFを切ったのは10年7月の桐生。トップ選手であり続けながら、約5年半もの間、Fを切っていない。言い換えれば、F休みもなくずっと走り続けることができるということだ。
その証拠に15年は8つ全てのSGに出場。直近4年で言えば、32節中30節とほぼ皆勤賞でSGに出場している。走る回数が増えれば、もちろんSGを獲る可能性も増える。そのチャンスを見事にとらえたのがSG3勝の昨年と言える。
年始に掲げた今年の目標は「(賞金ランキング)6位以内でグランプリに向かうこと」。それにはSG制覇が近道だ。3月のクラシックはデビュー初1着、初優勝の地・平和島で開催される。さらに8月のメモリアルは地元桐生が舞台。10月のダービーは過去2勝とタイトル相性は抜群。これだけの“好データ”があれば、嫌でも期待をしてしまうのがトモヤの魅力。
最初にグランドスラムを制するのはやはりこの男か。「1番に?なれればいいですね(笑)」。これまで数々の記録を作ってきたトモヤが、今年も大偉業を成し遂げそうだ。