【ボート】今垣光太郎が全24場制覇
「第47回尼崎選手権競走 ~シニアバトルシリーズ第5戦~ 最終日」(31日、尼崎」
今垣が偉業を達成した-。2号艇の今垣光太郎(46)=福井・63期・A1=が2コースから“まくって”1着。3月芦屋G1に続く今年2回目、通算では95回目、そして全国24場制覇を成し遂げた。2着は熊谷直樹、3着に西山昇一が入った。
全場制覇のラストはまさに“技あり”だった。本番、今垣は2コースからコンマ22の6番手スタート。4カドからコンマ10のトップSを決めた熊谷にまくられる最悪の展開となったが、インから伸び返した西山に接触したこともあり、熊谷は1Mで大きく流れる展開に。その熊谷と、小回りで残そうとした西山の間を今垣が“まくり”一撃。
「自分では1艇身のSを行ったつもりだったけど…。西山さんがいい足していたので、(優勝は)半分以上あきらめていました。(1Mもまくられてから)とりあえず、(外に)かわって差そうと思ったけど、うまい具合に掛かってくれた。同体Sなら差し切れる足じゃなかったので、ツイてました。めったにない展開でしたね」。一度はまくられながらも、冷静な判断で自らが“まくる”強気のレースを披露。数々の修羅場を乗り越えてきたSG8冠・今垣が実績と経験を武器に、本領を発揮した場面だった。
これで2月に徳山で達成した前本泰和に続き、史上15人目、現役では8人目となる全国24場制覇の偉業を成し遂げた。「尼崎は優勝戦には乗せてもらっていたけど、なかなか勝てなかった。新鋭の優勝戦でFを切ったこともあったけど、達成できて本当にうれしい」と笑顔を見せた。直前のSGボートレースクラシック(平和島)では準優1号艇でまさかのF。「相当落ち込んだ」と本音をはき出したように、最悪の精神状態で尼崎に乗り込んできたが、このメモリアル優勝で再び闘志に火をつけた。「(ペナルティーで)6月からはしばらく一般戦回りになるけど、これからもいいレースができるように頑張ります」と優勝を見届けた多くのファンに活躍を誓った。