【第６２回】香川素子（３６）＝京都・８０期＝

　昨年新設された賞金女王決定戦。その記念すべき第１回大会に名を連ねたのが今回紹介する香川素子だ。抜群の安定感で女子戦では常に優勝争いに絡んでくる実力派だが、その強さを支えているのが何事にも動じない精神力。「あまり深く物事を考えてないのがいいのかも」と、ピット内では常に自然体で振る舞う姿が印象的だ。Ｆ２で迎えた４月のＧ２・ＭＢ大賞（三国）も、Ｓは控えめながら巧みなレースで準優進出を果たした。

　水面を離れれば中２と小５、思春期を迎える男の子２人を育てる母親だ。「勉強は一応、させてますよ。家庭教師まで付けちゃいましたから。でも、今は２人とも野球に夢中みたいで…。私も学生時代にソフトボールをしていたので、スイングとかを教えると、お～って尊敬のまなざしで見てくれる。将来はボートレーサー？やりたいって言えば好きなようにさせます」と、子育てに関しても自然体を貫いている。

　気さくな性格で報道陣からの人気も高い香川。今回の取材も「私、（９０日の）Ｆ休み真っ最中ですけどいいんですか？」と言いながらも快く応じてくれた。今後の目標を聞くと「休み明けで（８月の）女子王座になると思うので、そこで頑張って忘れられないようにしたい」。３カ月のＦ休みは大きなハンディだが、夏の大一番も自然体の走りでビッグタイトルを狙う。