「ボートレース記者コラム・仕事　賭け事　独り言」

　ギャンブル歴３０年…。２０代の頃は勢いと思い込みの強さ、そして運だけで突っ走っていた。当然のことながら浮き沈みが激しく、好調な時は「ベンツはもちろん、すぐに都内に一戸建てが買えるんじゃないか」と思っていたし、不調な時は「もうダメだ。生きて行けない。ガス、電気に続いて水道も止まっちゃうよー」と嘆いていたのを思い出す。

　３０代に入るとギャンブルの経験と知識が上昇したことで、浮き沈みの度合いは滑らかになったが、起死回生の一発がガクンと減った。一言で表現するなら「こぢんまりまとまった」という感じか。戦略が緻密になったのはいいが、キャリアが逆に足かせとなることが多くなった。もちろん、ツキなんてものとはドンドン無縁状態になっていった。

　そして４０代に入る直前、たまたまゴルフを始めたらギャンブル成績が急上昇した。明確な理由は分からないが、原則として自分が全責任を負う個人競技という点は同じ。自分次第で良くも悪くもなるということだ。

　ゴルフは練習やセンスなど重要な要素はいろいろあるが、最終的にスコアへ直結するのは精神力である。１ラウンド８０～９０打のうち、ほとんど思い通りに行かず、後悔と反省の繰り返しだが、何打かは会心のショットがあるもの。このあたりはギャンブルと似ている。数少ない「快感」を求めて日々、予習と復習を怠らないように努力するようになったのが最大の要因だろう。

　ゴルフを始めると間違いなく精神力が鍛えられる。自分の経験から、答えを導くと、あくまでも取り組み方次第ではあるが、ゴルフを始めるとギャンブルに強くなる可能性は高い。（関東ボートレース担当・土屋景）