【競輪】大阪期待の新星・酒井拳蔵 未来を担うアスリートとして注目

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 前評判にたがわぬ快進撃を見せている大阪期待の新人・酒井拳蔵(20)=大阪・109期・A2。未来を担うアスリートとして競輪学校時代にテレビ番組で紹介されるなど、注目の高い新人だ。

 7月の松阪でデビューし、3連勝で完全Vを達成。その後も名古屋、四日市とA級チャレンジ戦で無傷の9連勝。3場所完全連続Vを達成し、同期では一番乗りとなるA級2班への特別昇進を決めた。特昇後の奈良でも連勝で決勝へ進出。特昇後いきなりの完全Vが懸かった決勝は、赤板前から出切って打鐘後から全開で駆けるも最後は力尽き、清水剛志(25)=福井・103期・A1=のまくりに屈して4着。デビューからの連勝は11でストップした。

 奈良が終わると、出身地である岸和田に追加あっせんが入り、デビュー初の地元戦が決定。前検日では「(奈良決勝で)周りからはいいレースをしたと言われるけど、結果を残せてないので…」と悔しさをにじませながら「多少緊張するかもしれないけど、やることは変わらない」と気合を入れ直していた。

 地元バンクでの初日は、ライン3車で上位を独占する完勝劇。ゴール後は観客席からも大きな声援が飛び「すごく声援をいただいた」と笑顔を見せた。初日に酒井の3番手を固めて3着となった中畑正彦(52)=和歌山・59期・A2=は「彼は力で勝っている。誰も仕掛けられないのは、ここまでの彼のレースを知っているから。仕掛けても合わせられてしまうしね。このまますんなりS級に上がるんじゃないかな」と実力をたたえた。

 翌日の準決勝も1着としたが「自分の後ろが競って、どうすればいいのか分からず迷惑を掛けてた」とラインで勝ち上がれずに反省。それでも同じレースを走った選手からは「強い」の言葉ばかりが並んだ。

 迎えた決勝戦。奈良で連勝をストップさせられた清水との再戦。近畿勢は酒井-仏田一夫、清水-伊代野貴照で別線となった。レースでは清水と伊代野の連係が切れ、最終周回で仕掛けた清水の番手に酒井がはまる形になり、バックで番手まくりを敢行。特昇2場所目、地元ファンの前でA級1、2班戦での初優勝を完全Vで飾り、再び連勝街道を歩み始めた。

 5場所を消化して15走14勝とインパクトのある活躍。同じ支部の先輩でS級レーサーの大竹歩(29)=大阪・101期・S1=は「強いと思うし、若い選手が出てくるのはいい刺激になる」と新星の登場を歓迎。ステージが上がるほど厳しい戦いが待っているが、ダッシュ力はかなりのレベル。順調にステップアップを果たして大阪だけでなく、競輪界全体に刺激を与えるような存在になってほしい。(関西公営競技担当・貞友之)

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