【競輪】ミッドナイトが好調な今こそ、元気だったころの競輪に戻すべき

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 最近、競輪界が少しだけ活気づいている。2013年度に約6063億円まで落ち込んだ売り上げが、14年度から上昇に転じ、16年度は6345億。3年連続で前年増となったのだ。ただ、これはミッドナイト競輪の普及によるものが大きくG1、G2などの特別競輪は減少傾向に歯止めがかかっていない。

 5月2~7日に京王閣競輪(東京都調布市)で行われた「G1・日本選手権競輪」。4日目までは前回(昨年4月30日~5月5日・静岡)を上回るペースで車券が売れた。だが、5日目以降は思うように売り上げが伸びず、節間(6日間)目標(155億円)どころか、前回(153億2196万7500円)より7億円以上も下回って146億2065万8800円。関係者から「前回と変わらない日程(平日1、土曜日1、日曜日1、祝日3)なのに、どうして目標を下回ったのだろうか」とボヤキが聞こえてくるほど、期待を下回る売り上げだった。

 今年の日本選手権、特に売り上げが低調だったのが最終日(7日)。11R(決勝戦)は前回比95・1%だったが、5R(特選)は同75・4%、9R(優秀)は同69・2%とサッパリ。九州が4車で結束した10R(順位決定)は同91・2%。2段駆けが見えるレースでさほど売り上げが下がらなかったことを考慮すると、この5、9Rは「番組が面白くなかった」と結論づけてしまいたくなる。

 ミッドナイト競輪でファン層が拡大できたのにG1、G2といった特別競輪は今ひとつ盛り上がらない。ミッドナイトはA級1、2班、チャレンジステージ(A級3班)、ガールズケイリンとS級レーサーは登場しない。理由は「S級が出ても、A級と売り上げは変わらない」(関係者)。ということは、ファンが求めているのは「推理しやすいレース」。ミッドナイトは7車立て。S級、ミッドナイト以外のA級1、2班(9車立て)と違って、7車立てなら推理しやすいし、的中しやすい。これにファンが群がってきたのだ。

 ミッドナイト以外の競輪、売り上げアップの秘策はあるのか…記者なりに考えてみた。それは今より2倍も3倍も元気だったころの競輪に戻すのがいいだろう。レース中のルールはもちろん、競走得点の面では補充選手のノーカウント、期間内(半年)の最低出走回数を超えた分は低いものから除外。これだけで「推理しやすい」レースが増える。

 今月、行われる「G1・高松宮記念杯競輪」(15~18日・岸和田)は16年ぶりに東西対抗戦を復活。勝ち上がりはすべて東西別で行われ、決勝でようやく東西が激突するという方式が復活するのだ。オールドファンには懐かしいし、最近のファンにとっては新しい。

 競走得点の計算方法も3級9班(S級1~3班、A級1~4班、B1、2班)だったころが分かりやすかった。あらゆる面で以前のような元気だった競輪に戻せば、売り上げも今より少しでもアップすると思う。(関西競輪担当・森田新吾)

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