【ボート】まるがめSGで女子レーサーの成長を実感
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現在、香川県の丸亀ボートで開催中のSG・第22回オーシャンカップ。今節は石野貴之(35)=大阪・90期・A1=の5月オールスター(福岡)、6月グランドチャンピオン(鳴門)に続くSG3連続Vと、オーシャンカップ3連覇の偉業なるかが最大の注目だったが、予選でまさかの敗退。勢い断トツの存在でも、あっさり負けてしまうのがSGの怖さでもあり、難しさだと痛感した。
その強豪が集うSGの舞台で、女子が奮闘した。今節は4人の女子選手が参戦しているが、そのうち、遠藤エミ(29)=滋賀・102期・A1=が6位、小野生奈(28)=福岡・103期・A1=が9位タイで予選を突破した。
まずは遠藤。予選は5走して2勝をマーク。2日目1Rのイン戦をきっちり逃げると、3日目3Rでは2コースからきっちり差して2勝目。そして予選ラストは6号艇から3着に食い込む活躍を見せた。
ちなみに4日間の予選全48レースの中で、2コースから勝ち星を挙げたのは遠藤と中田竜太(埼玉)と地元の重成一人(香川)の3人だけ。また、16日に行われた準優11Rでは2コースからコンマ09のSを決めて先まくりを敢行。1周1Mは流れ、5着敗退となってしまったが、Sの思い切り、走り方、戦法など女子のレベルを超えていると証明した。
小野も予選は5走して1着はないものの、2着が3回、3着が1回と安定した成績を残した。特筆すべきはスピードだ。2日目8Rは服部幸男(静岡)、3日目10Rは田中信一郎(大阪)を相手に全速ターンで猛追。道中あわや逆転かというシーンもあった。SG覇者を相手にひるむことなく、コーナーを思い切って握って行く姿に、きっとファンは心をつかまれたに違いない。
SGの舞台で堂々と走る2人を見て、女子のレベルはどんどん上がってきていることを実感した。近年、一般戦などでも男女混合戦が増え、記念レースでも女子が呼ばれることが増えた。男子レーサーと走ることで、旋回の仕方やスピードの違い、走る位置などそれぞれが課題を見つけ、それを一つずつ克服し、対等に渡り合える女子レーサーが増えてきたのだろう。
以前は人気先行だった女子レーサーだが、実力を兼ね備えたスターレーサーが誕生する日はもう近い。(関西ボート担当・西脇由利)