【ボート】クラシックVこそがグランプリ制覇への最大の近道
「ボートレース記者コラム・仕事 賭け事 独り言」
びわこボートで行われていたG2・第2回レディースオールスターが無事に終了。そして16日からは浜名湖ボートでSG・第53回ボートレースクラシックが開幕する。ボート界も18年のSG戦線が幕を開け、年末のグランプリへ向けた賞金レースがついに始まる。
SGや大きなレースが迫ると、頼まれもしないのに自然と優勝者の傾向をデータなどで調べてしまう。ということで、今回は直近5年のクラシック優勝者のちょっとしたデータを調べてみた。
まずはどのようにして出場資格を得たか。クラシックは(1)前年度優勝者、(2)前年のグランプリ優勝戦出場者、(3)前年のSG、G1、G2優勝者、(4)直前に行われた各地区選手権優勝者、(5)前年の優勝回数上位者に出場資格が与えられる。
直近5年ではズバリ(3)が圧倒的に多い。13年(平和島)の池田浩二(39)=愛知・81期・A1=はG1・鳴門周年、14年(尼崎)の松井繁(48)=大阪・64期・A1=はSG・オーシャンカップ(若松)で優勝。15年(尼崎)の桐生順平(31)=埼玉・100期・A1=はプレミアムG1・ヤングダービー(戸田)を勝ち、16年の坪井康晴(40)=静岡・82期・A1=はG1・宮島周年を制して出場権をゲット。昨年の桐生はグランプリ優出を果たした(2)で出場権を手にした。やはり前年の大舞台で充実した結果を残した選手が、そのまま翌年の初戦でも存在感を発揮していると言える。
そして次に気になったのが、クラシックを勝った選手がその年のグランプリでどんな成績を残したか。14年の松井、15年の桐生、16年の坪井は惜しくも順位決定戦に回ったものの、13年の池田と17年の桐生は優勝戦に勝ち進み、さらに見事グランプリ制覇を成し遂げた。
確率で言えばクラシックを勝てば、40%の確率でグランプリをも優勝できるという結果だ。これは決して低くはない。誰よりも早く多額の賞金をゲットすることにより、その後のSGやG1戦線を精神的にも余裕を持って臨むことができる。グランプリ出場がほぼ決まれば、年末へ向け一年を通しての流れを自ら作っていける強みが出てくる。それがうまくかみ合えば賞金が着々と加算され、賞金ランキングも上位に名を連ねることになる。そして賞金ランク6位までに入れば、グランプリにおいてエンジン勝率上位6機から抽選で選ぶことができ、前検を含めて3日間レースをせずに調整だけに専念できる。まさにいいことづくしだ。この流れに見事にハマったのが昨年のクラシック勝者であり、グランプリ覇者となった桐生だと思う。
年末の大決戦へ向け、大事な一戦となるSG開幕戦。今年は誰が賞金ロードを優位に進めるか。開催前の今は昨年のSG、G1覇者となった面々を中心に優勝者を勝手に予想して楽しんではいるが、いざレースが始まれば予想を吹き飛ばす激しいバトルにくぎ付けになるのだろう。今年最初のSGレース。一ファンとしても待ち遠しくて仕方ない。(関西ボートレース担当・西脇由利)