【地方競馬】東京ダービーは船橋所属馬がかなり優勢だ
「レース記者コラム 仕事・賭け事・独り言」
当コラムは東西の公営競技担当記者が持ち回りで書いている。回ってくるのは年に2、3回。出稿当番表はかなり前から配布され、当方に割り当てられた「6月3日」は、ちょうど大井競馬場で行われる東京ダービーの前々日。「これなら的場さんのエピソードでも書けばOK!」とタカをくくっていたら…。
ご承知の通り、この9月には63歳になる“大井の帝王”的場文男騎手は、昨年8月に佐々木竹見元騎手の地方競馬最多勝記録を更新。その後も「目標がなくなっちゃったよ」と笑いながらも元気に現役を続け、目下、通算勝ち星を7225勝まで伸ばしている。
その的場さんが「最後の宿題かな」と口にしているのが、悲願の東京ダービー制覇。騎手生活47年目で過去37回騎乗した同レースはまだ勝ったことがなく、2着は昨年を含め実に10回。単勝1・1倍の馬で大出遅れしたこともあった。
そして今年の騎乗予定馬は、昨年11月の北海道2歳優駿でJRA勢を抑えて交流グレードを勝ったイグナシオドーロだったのだが、5月21日の大井競馬で騎乗馬の故障による落馬で顔面を強打。38回目の挑戦は来年以降に持ち越しとなってしまったのだ。
と、ここまで“的場ネタ”で、ある程度の行数は稼げたわけだが、ここまで読んでいただいた方に、やはり何か東京ダービー情報をお届けしないと…。
今年の南関東3歳馬の勢力図は、近年の傾向通り、船橋所属馬がかなり優勢。羽田盃を圧勝したミューチャリー、同2着で昨年の全日本2歳優駿ではミューチャリーに先着して地方馬最上位の5着に食い込んだウィンターフィルをはじめ、実績上位馬が虎視眈々(たんたん)と栄冠を狙っている。
しかし、その船橋勢に不安がないわけでもない。現在、船橋競馬場はレースでも使う本コースが大規模改修中で、調教は馬場コンディションが決していいとはいえない内コースのみで行われている。
事実、有力馬の調教師から「砂が浅くて時計が出過ぎる」とか「コースが狭くて、大跳びの馬は満足に追えない」など“泣き”のコメントが数多く聞かれるのも事実である。
もしレース当日、船橋所属馬に極端な馬体重の増減や、パドックの気配でイレ込みや元気のなさがうかがわれるようなら、ビッシリ調教ができている地元大井の所属馬や他場の馬から思い切った穴狙いをしてみるのもいいかもしれない。
とはいえ、デイリースポーツ本紙予想は船橋所属馬中心で印を付ける予定です(笑)
(南関東公営競馬担当 関口秀之)