【地方競馬】ミシェルはイタリアで重賞制覇 再来日を目指して奮闘中

 笑顔でサムアップポーズのミシェル
 両手でハートを作るミシェル
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 「地方競馬記者コラム・仕事 賭け事 独り言」

 地方競馬では11月3日に、今年で20回目を迎えるビッグイベント「JBC競走」が開催される。

 従来からの「クラシック」「スプリント」「レディスクラシック」が東京の大井競馬場で行われ、今年は北海道・門別競馬場での「2歳優駿」が加わり、1日に4つのビッグレースが楽しめる。

 中でも注目されるのが「JBCスプリント」に騎乗予定の藤田菜七子。今年もJRAで31勝を挙げる活躍を見せている。今回も含めデビューからここまでコンビを組むコパノキッキングで重賞2勝をマークしている。

 昨年10月に大井競馬場での「東京盃・Jpn2」で初タイトルを獲得し、同12月には中山競馬場での「カペラステークス・G3」を勝って女性騎手によるJRA重賞初勝利。今回初めてのG1級レース制覇に挑む。

 女性騎手といえば、今年3月末まで地方競馬に参戦し、短期免許期間で史上最多の30勝を記録したフランスのミカエル・ミシェルは今どうしているのだろうか。

 仕事柄、彼女のインスタグラムやツイッターをフォローしているので、ここで少し紹介してみたい。

 短期免許期間が終了後も約1カ月間の日本滞在を計画していたミシェルだが、折からのコロナ禍で、4月9日に母国への“最終便”で帰国。5月11日のフランス競馬再開後は現地を中心に騎乗している。

 とはいえ「日本より男性社会」(ルメール)のフランス競馬界で騎乗機会を得るのはなかなか難しいらしく、最近のSNSによると現地では今年通算16勝。ただ、特筆すべきは隣国イタリアでG3とG2の重賞2勝をマークしているのだ。

 2勝ともドイツ馬のヴァルデルベという馬とのコンビで、特に10月25日にはミラノのサンシーロ競馬場で行われた伝統レース「伊ジョッキークラブ大賞」(G2)制覇という大殊勲。欧州では大きく報道されたという。

 同レースは今年で創設100周年。2016年までは国際G1で、1955年には20世紀を代表する名馬の1頭であるリボーが制し、87年には日本でもおなじみのトニービン、94年には翌年のジャパンカップを制したランドも勝っている。

 これにはミシェルも大はしゃぎで、SNSにはミラノ空港でトロフィーを掲げながら笑顔で踊る自らの姿を動画でアップ。日本のファンには「このニュースが届き、一緒に喜んでいただけたらうれしいです」とのメッセージを発信した。

 ただ、いまだに猛威を振るう新型コロナウイルスは、彼女の「日本で騎乗したい」という夢の前に大きく立ちはだかり、当初描いていたロードマップは大幅な修正を余儀なくされている。

 9月に再来日してJRAの騎手免許を受験し、そのまま滞在して短期免許による地方競馬での3カ月間の騎乗を予定していたが、就労ビザ取得がかなわなかったのだ。

 それでも日本競馬に対する熱が冷めることはなく、デアリングタクトやコントレイルの無敗3冠達成やアーモンドアイの快挙にはSNSですぐに反応しているし、JRA免許試験用の日本語の勉強も、ひらがなの読み書きはすでにマスターしているようだ。

 そんな彼女に朗報といえば、JRAがこのほど女性騎手に対する短期免許交付条件を緩和したこと。「本拠地で過去2シーズンのうちいずれかで女性リーディング」という条件に、昨年フランスで72勝を挙げて1位となったミシェルは該当する。

 JRAにしても地方競馬にしても、才色兼備の女性騎手参戦は華やかな話題になる。日本にもたくさんのファンを持つミシェルの再来日はいつになるのか。コロナ禍の一日も早い収束が待たれる。(南関東地方競馬担当・関口秀之)

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