【ボート】施設のリニューアルは選手やファンも大歓迎
「ボート記者コラム 仕事 賭け事 独り言」
尼崎ボートへ取材に訪れると、場内の環境が激変していくことに驚く。19年から実施されている改修工事が本格化し、現在はところどころで施設の撤去、増築作業を施工中。3月末には真新しいイベントステージの舞台が完成した。現在は中央スタンドから1マークにかけて、展望デッキの工事が急ピッチで進められている。
オールドファンがひしめく、昭和的な雰囲気も悪くはないが、清潔で新しい施設は、ギャンブル以外でも娯楽の用途を生かせる存在。全国各地のボート場でもリニューアル工事が進められ、家族連れや若いカップルが気軽に足を運ぶ機会も増加中。一般の方がボート場にネガティブな印象を抱くことも少なくなってきた。
今回のリニューアルは、地元の選手も歓迎している。兵庫支部が誇る人気レーサー・和田兼輔(34)=兵庫・100期・A1=に話を聞くと「すごくいいことだと思います」とキラリと表情が輝く。「ここへ来る度にきれいになっていると実感している。(工事の)完成が秋でも年内でもいいので、楽しみにしていますよ」と新たな施設の誕生に大きな期待を膨らませた。
昨年の今頃は、コロナ禍で最初の緊急事態宣言が発令され、全国各地のボート場は無観客でレースを実施。ヤジや声援もなく、エンジン音のみが場内に響き渡る雰囲気だったが、現在は万全の感染対策が施され、入場制限をした上で有観客のレースを開催。ようやく場内にも“にぎわい”が戻ってきた。
「平日でも、ひと昔前と比べて若いお客さんがたくさん増えてありがたいですね。特に最近は声援も聞こえて、レースをしていてうれしい」と頼もしいファンの存在は、間違いなく活躍の原動力となっている。
「電話投票のおかげで最近は売り上げも増えているけど、選手としてはお客さんの前で走れてなんぼ。生でレースを見てもらいたい」と進化する地元の舞台で、ライブ観戦のだいご味をしっかりとアピールした。
快適な環境でのレース観戦は、より多くのファン層の拡大にもつながり、選手にとっても大きな原動力と成す-。今回のリニューアル工事は、ファンや選手にとっても確かな相乗効果を生み出すだろう。改修事業の完了が今から楽しみだ。(関西ボート担当・保田叔久)