【ボート】惜しくもA級入りを逸した鈴木雅希 「残念だけど力が足りなかった」

 「ボート記者コラム・仕事 賭け事 独り言」

 ボートレースのオフィシャルHPによると、レーサーの平均年収はA1級が3000万円、A2級が1800万円、B1級が1100万円とある。4月30日が2021年度後期の級別審査締め切りで、筆者は無観客開催中の多摩川ボート場にいた。

 6日間開催一般戦の3日目で、勝負駆けに臨むのは3選手だった。半期ぶりのA1級復帰が懸かる野沢大二と小林泰(ともに東京)、そして、デビュー11期目で初のA級入りに王手をかけている鈴木雅希(26)=東京・117期。ここに至った彼らにとっては、1走の着順が年収に直結する正念場だ。

 野沢と小林は11R選抜戦で対戦した。6コースの野沢が3着、2コースの小林は5着だった。結果的に勝率ボーダーはA1級6・20、A2級5・43で確定したのだが、前半5Rでも3着だった野沢は結果的にA1復帰を果たし、1回乗りの小林はA2級残留となった。

 筆者が一番注目していたのが鈴木だ。今節は勝率5・54でスタート。前検では「A級入りが懸かっているので頑張ります」と話していた。しかし、引き当てたエンジンが近況低調で、初日は前半イン戦で6着、後半も4着と出遅れた。

 「足は全体に劣勢ですね。中でも伸びが弱い」と懸命のペラ調整にも機力はなかなか上向くことはなく、2日目も4、4着と苦戦。文字通り勝負駆けとなった3日目の1回乗りの8Rは2コースからコンマ15のトップSで飛び出したが、1Mで舟が掛からず5着に終わった。この時点で勝率5・42に下げて、ナイターを含めた他場の結果待ちとなった。

 一夜明けた4日目、ピットで顔を合わせると「結果は選手宿舎で知りました。残念ですけど力が足りなかった。仕方ないですね」と話した。一番肝心な節で、低調機を引いた不運や複雑な思いは内に秘めて淡々としていた。

 ありきたりの言葉になるがこの経験は必ずあとで生きると思うし、来年のゴールデンウイークには多摩川の水面でA級の鈴木を見てみたい。(関東ボートレース担当・津舟哲也)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

レース記者コラム最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(レース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス