【競輪】「先行に魅せられている」大舞台でも先行を貫く奥井迪

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 G1・寬仁親王牌(前橋)は新田祐大(福島)が優勝し、グランドスラムの偉業を達成。残すG1は競輪祭(小倉)のみ。ガールズを含め、グランプリ出場争いは終盤戦を迎える。

 ガールズで現在賞金ランクで2位につけている奥井迪。ガールズケイリン10周年を機に行われたティアラカップ(名古屋)でビッグレース初優勝。こだわってきた先行で逃げ切った優勝は車券の当たりハズレを度外視して個人的にとてもうれしかった。「バックを取るレースを続けてきて、それが形になった」とまさに自分の力で2019年以来となるグランプリ出場を大きくたぐり寄せた。

 奥井と言えば先行。「ここ数年は迷いもあった」と自身の走りが評価されていないと感じた時期もあった。それでも「今年は自信を持って先行できている」と近況は自身の最大の武器である積極的に動くレーススタイルに回帰して結果を残している。

 奥井の競走スタイルに大きく影響を与えたのが、9月に引退を発表した村上義弘氏だ。“先行日本一”の称号で一時代を築き絶大な人気を誇った村上氏。「村上さんが競輪界にいるのといないので全然違う。走りで人の心を動かせる数少ない選手だし、あこがれていた。レースで魅せる、先行するきっかけとなった選手。初心に戻って、魅せるレースをしていきたい」と決意を新たにしている。

 「私は先行に魅せられている。これを貫いてグランプリに出られたら、もう一回先行したい気持ちは強い」。ガールズグランプリトライアル(小倉)をはじめ、強力な対戦相手とのレースが続くが、徹底先行を貫き風を切る奥井に迷いはない。結果がどうであれ、村上氏と同じで、見る人の心に響くレースを続ける奥井に注目したい。

(関西競輪担当・貞 友之)

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