【ボート】ボートレーサー・野田昇吾の“開幕シリーズ”を振り返って

 戸田でデビューした野田昇吾
 野田昇吾の横断幕
 在籍時の西武ライオンズの監督だった辻発彦さん(左)から激励される野田昇吾
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 「レース記者コラム 仕事・賭け事・独り言」

 ボートレース界は11月から新しい期がスタート。新たに131期がデビューを果たした。131期の注目はなんと言ってもプロ野球・埼玉西武ライオンズの元投手・野田昇吾(29)=埼玉・B2=の存在だ。11月3日から7日の戸田一般戦でボートレーサーとしての“開幕戦”を迎えた。

 デビュー節の結果は4、6、F、6、6、5、6着。ボートレースの新人は大外の6コースから進入する。第1走目は1周1マークで艇団を割って2、3着争いに加わった。2Mで失敗して4着だったが、最も不利な位置から戦うために最下位に終わっても不思議ではない中で、見せ場を作ったレースぶりは健闘の部類だ。プロ野球で培ったメンタル、素質の片りんを見せた一方でボートレーサーとしての“洗礼”も受けた。11月5日(開催3日目)の1Rで痛恨のフライングを切ってしまった。「フライングしたことは一番反省しないといけない。思っていた以上に、いろいろ経験させてもらった。レースの道中の走りは分かっていたが、思った通りにできていなかった。勉強をさせてもらった」と振り返る。

 舟券に絡む結果は残せなかったが、プロとしての誇りも垣間見られた。デビュー日の11月3日は一般戦とは思えない盛り上がりを見せた。ライオンズのユニホームを着て応援に来たファンも多く、ファンファーレが鳴ると場内から大きな拍手が起こっていた。「野球を辞めても応援してくれることはうれしいこと。感謝したい。応援していただける人間でいたいし、活躍して恩返ししたい」。プロ野球では数万人の大観衆の中でプレイし、応援の重みを知る野田らしい言葉だった。

 次の出場は12月5日から11日までの蒲郡。全24場の中で一番狭い水面の戸田と一転して、蒲郡は1マークのバック側が156・7メートルと一番広い水面。「スピード、ターン勝負。スピードを持って旋回できるかが鍵を握る。しっかり練習したい」。競走水面を思い描いての抱負を語るあたりは、まさに“プロ”の姿だ。新たなプロスポーツの世界で歩み始めた野田に熱い視線を送りたい。

(関東ボートレース担当・渡辺和明)

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