【ボート】今年初SGがいよいよ開幕 末永和也ら楽しみな若手が初出場
「ボートレース記者コラム 仕事・賭け事・独り言」
元宮島ボート担当だったので広島のトップレーサーだった前本泰和さんの引退は本当にショック。後輩の山口剛(広島)が「前本さんは3Dで見えてるんじゃないかと思えるくらいペラ調整がうまい。自分も“ここをちょっと叩いたら”とアドバイスをもらったら急激に出た」と教えてくれたことを思い出す。もうちょっと活躍は見たかった…。今はお疲れさまと言いたい。
その前本が9年連続で15回も出場していたSG・クラシック(平和島)が16日に開幕する。今年最初のSGだけに誰もが気合は入っているはず。いつも以上に白熱した戦いが繰り広げられそうだ。
今回は浜崎直矢(埼玉)、佐々木完太(山口)、中村日向(香川)、末永和也(24)=佐賀・124期・A1=の4人がSG初出場となる。スタート巧者の浜崎のSG初出場は本当に意外。昨年はV6と好調。平和島もV2の実績があり楽しみだ。
そして残り3人の佐々木、中村、末永は近い将来、ボート界の中心を担う選手だろう。特に末永は昨年9月のプレミアムG1・ヤングダービー(多摩川)で初めて見た時に旋回力の高さにビックリした。同県の先輩である峰竜太をほうふつさせるような切れ鋭いターンで、特にまくり差しは絶品だった。
そのヤングダービーの優勝戦は2番手から先頭を走る近江翔吾(香川)を最終となる3周2マークまで追い詰める激走。そのターンマークで失速してしまい6着に後退したが、絶対に強くなると確信したレースだった。「お客さんに迷惑を掛けたし、今後は舟券に貢献できる選手になりたい」と大粒の涙を流したのがとても印象的だった。
それがきっかけとなり、その後は昨年10月のファン感謝3Daysボートレースバトルトーナメント(若松)で白井英治(山口)ら超一流を相手にデビュー初優勝。そして今年2月の九州地区選手権(若松)ではG1初制覇。今回の出場切符を手に入れた。
メンタル面が成長して高いポテンシャルが発揮できるようになってきた末永。もう気後れすることはないだけに、SG初出場、初Vの快挙達成もありそうだ。期待してます。(関西ボート担当・高谷和宏)