【競輪】来年再開の熊本競輪へ向け「欲を言えばSSに」と嘉永泰斗が意気込む

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 9日に幕を閉じた熊本競輪の開設記念G3「火の国杯争奪戦in久留米」は中本匠栄(熊本)のG3初優勝で幕を閉じた。2016年4月に発生した熊本地震により、熊本競輪場は大きな損害を受け、開催が休止。その間に熊本競輪の開設記念G3シリーズは久留米を舞台に行われてきた。来年からは熊本競輪が再開となり、今回で久留米を舞台に行われる熊本記念開設記念シリーズは最後となったが、熊本勢4人の結束力で遠征勢を打ち破り、火の国杯を地元へ持ち帰ることに成功した。

 開催休止期間中に支部のエースに成長したのは先のG3で決勝2着に入った嘉永泰斗(25)=熊本・113期・S1。今年はウィナーズカップ(別府)、共同通信社杯(青森)と2つのG2で決勝へ進出。G3でも函館記念を制するなどビッグレースでの存在感もより増してきた。「今年は成績が安定。レースに行くといいし、落車がないのが大きい」と熊本記念の前検日に話していた矢先、初日に不利を受け落車。状態が心配されたが、気持ちでカバーして決勝まで勝ち上がり、熊本勢の優勝に大きく貢献した。自身の優勝は果たせなかったが、アクシデントがあったことを思えば、十分に支部のエースとしての責務は果たしたと言える。

 嘉永のデビューは2018年。まだデビューしてからホームバンクで実戦を戦ったことがなく「熊本の再開は待ち遠しい」と目を輝かせている。再開までに向けては「熊本でメインを張れる競走得点を持っておきたい」とし、さらに「欲を言えば、SSになって熊本へ戻りたい」と今年にグランプリ出場を果たして、輪界のトップであるS級S班入りも頭に入れている。

 ライバルも賞金を上積みすることを考えると、獲得賞金賞金でのグランプリ出場は厳しい位置。年末の大一番へ挑むためには19日に開幕する寬仁親王牌(弥彦)、競輪祭(11月22~26日・小倉)と残り2つのG1のどちらかを勝つしかない状況だ。落車のダメージと言う部分で不安はあるものの、G1を勝てるポテンシャルを持ち「緊張するタイプではない」と精神面も強い。S班の象徴である赤パンを履いてホームバンクに凱旋なるか、G1での嘉永の活躍に期待したい。(関西競輪担当・貞 友之)

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