【地方競馬】24年は世界挑戦をテーマに掲げたイグナイターから目が離せない

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 イグナイターが11月3日に大井のJBCスプリントを初制覇した。兵庫県競馬所属が初めてJpn1(交流G1)を勝つ快挙。昨年のNAR年度代表馬の能力を考えれば、機が熟した結果と言える。この勝利で地方競馬最強の評価は揺るぎないものとなり、2年連続の年度代表馬受賞は確実だろう。

 2022年のイグナイターは3月の黒船賞(高知)、5月のかきつばた記念(名古屋)とJpn3を連勝した。続けて6月のさきたま杯・Jpn2(浦和)の出走を予定していたが、直前になって回避すると、そのまま夏の休養に入った。

 復帰後の秋は10月のマイルチャンピオンシップ南部杯、11月のJBCスプリントと盛岡でのJpn1を連戦して4、5着と健闘。12月は地元・園田の兵庫ゴールドトロフィー・Jpn3に挑んだが、前走から23キロ増と不可解な馬体重が影響して5着に終わった。4歳の昨年はまだひ弱さが残り、ホップ、ステップが決まっても、ジャンプには至らなかった。

 5歳になった2023年は馬体が完成の域に達した。春秋の両シーズンとも、目標のダートグレード競走に向けてホップ、ステップ、ジャンプを決めた。

 春は黒船賞・Jpn3(高知)が3着、かしわ記念・Jpn1(船橋)は7着と物足りなかったが、さきたま杯(浦和)でJpn2初勝利を挙げた。秋は地元の園田チャレンジカップ1着、マイルチャンピオンシップ南部杯2着と一戦ごとに力強さを増して、JBCで陣営の悲願を達成した。

 11月15日には園田でイグナイターのJBC優勝報告会が催され、馬主の野田善己氏が来年の抱負を述べた。「次の目標はもちろん、インフラ関係などクリアすべき問題はあるが、世界へ行きたいですね。石油の出る国へ」。2024年は世界挑戦をテーマに掲げた。2月にサウジアラビアでのサウジカップデー、3月にはドバイでドバイワールドカップデーが開催される。陣営のスタッフは既にパスポートの支給申請の手続きから準備を始めている。(地方競馬担当・中山伸治)

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