【ボート】新エンジンの攻略法は調整巧者に聞け 住之江巧者の村田修次は経験豊富
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住之江ボートでは、先月26日に閉幕した「デイリースポーツ旗争奪・ホワイトベア競走」で現行エンジンの使い納め。「住之江巧者」の第一人者・村田修次(50)=東京・78期・A2=が熱戦を制し、当地で5回目の優勝を成し遂げた。
SGやG1で実績を残した53号機を完璧に仕上げ切り、秀逸な調整力を見せつけた村田だが、通常のレースはもちろん、新エンジンでのレースも「初めての方が、僕は結構好きですね」と得意分野としている。
初下ろしから間もないエンジンは、ノーハンマーや慣らし運転など、選手によってさまざまな調整手段がある。村田は「絶対に最初は(回転が)回らない」と、性能を熟知した上で「回すのを慣れているというか、今までそういう調整をしてきた方なので、どこのボート場でもエンジンを回していきます」と、いきなりブン回す仕様でエンジン特性を高めていく。「長年それでやってきたので、初めてのエンジンでも成績がいいですよ」と独自のスタイルを貫く調整方法に胸を張った。
住之江ボートでも、3月16日の一般戦からエンジン、ボート、ペラが新品に切り替わる。2節目の24日からは、住之江で今年初のG1・太閤賞が開催。エンジン素性が未知数の中で行われるビッグレースは果たしてどうなるのか?引き続き村田に話を聞いてみた。
「G1は自分のモノを持っている人の集まりだから面白いのは面白いけど、レースをする選手は大変でしょうね」と胸中を察したが、「初下ろしから当初は部品も交換できないので、最初からエンジンがすぐ良くなったり、悪くなったりとかはあまりない。スタートとかで選手の差はあまりないので、(事前に航走検査が行われる)測定タイムが良かったりしたら、その節はいい気がします」と、新エンジンの見どころを分析してくれた。
2020年にプレミアムG1・マスターズチャンピオン(津)を制した実力者は、A2から3期ぶりのA1復帰に向け、快調なペースで突き進んでいる。優勝戦の勝利者インタビューで「普段からやっていることが、ようやくうまくいってる。ずっとチャレンジですね」と語ったように、50歳を迎えても、あくなき挑戦心はまだまだ血気盛んだ。A1に復帰した後、村田が暴れ回るG1レースを、ぜひ住之江で見てみたい。(関西ボート担当・保田叔久)