【ボート】レース間隔の長さがスタートに大きく影響する
「ボート記者コラム・仕事 賭け事 独り言」
まだまだ暑さが続くが、自分が住んでいる滋賀県は何となく暑さのピークは過ぎて、少し秋の雰囲気が出てきた感じがする。昔に比べればまだまだ気温は高めだが、ここから季節の入れ替わりも始まっていく。ボート選手は特に季節に敏感な職業。夏から秋へのシフトのタイミングが、年末に向けて大事になってくる。
暑かった夏、今年は少しレース開催に変化があったように感じる。それはレース間隔だ。売り上げを考えてなのか、他場との兼ね合いを考えてのことなのか、極端にレース間隔が長くなるところがある。通常のレース間隔は、だいたいが30分前後。11レースから最終の12レースの間なら35~40分となっているのが普通だ。そんな中で、あるレース場では、40分以上、長い時では60分近くまでレース間隔が長くなったことがあった。
レース間隔が長くなると、当然展示から本番までの時間差が出てくる。夏は一日中暑いとはいえ、夕方になると気温は多少でも下がってくる。特に最終レースにあたる午後4時台は気温が下がり始める時間だ。僕らの感覚では「夕方になっても暑いなぁ~」という感じだが、選手にとっては1度、2度で極端に足が違ってくることもある。あるSGレーサーは「さすがに50分もあると真夏でも冷えてくる。そうなるとSが分からないし、冷えた分届くのではないかと不安になってしまう。そうなると質のいいS(スタート)が行けなくなる」と、12R1号艇で2着に敗れた後に嘆いていた。
S事故をなくす努力を選手は当然、関係者みんながしている中で、逆にS事故の可能性を高めている気がする。また、S展示と同じ間隔でSが行けないとなると、S展示を見て舟券を買ったファンは想定とは違う展開にがくぜんとすることだろう。
どうしても発売時間を長く取らないといけない理由があるのかもしれない。ただ1レースだけ極端に長いのは少し不公平だ。S事故にもつながる大事なことだけに、何か対策を考えてもらいたい。(ボート担当・安藤浩貴)