【ボート】好調・吉田拡郎が多摩川初Vでグランプリシリーズまで駆け抜ける

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 G1・ウェイキーカップ 開設70周年記念は、吉田拡郎(42)=岡山・90期・A1=がインから押し切って優勝を飾った。びわこG2・第68回秩父宮妃記念杯からの連続優勝を決めた。

 これが吉田拡郎にとっては多摩川での初優勝。数々のタイトルを手にしてきた吉田だっただけに、当地初Vはちょっと意外だった。吉田が引き当てた52号機は、7月末に中間整備が入ってから以降は、優出5回で優勝1回と、あっという間に2連対率も40%を超えて、多摩川のエンジンのなかでも一気に上位級の仲間入りを果たした。

 吉田の前の使用者はベテランの石川真二で、ボート23番の使用者も同じく石川という「石川セット」を手にした。ピット離れ・出足型の独特なペラ形状で渡された吉田は、前検日に「前節の石川さんはどんな感じだった?」と逆取材。感触を聞くと「出足はすごくいい!けど、伸びがねぇ…ない!下がるよ~」と苦笑いをみせていた。

 しかし、初日に4コースから狙い澄ました差しで勝利。「ペラ調整で伸びは足合わせした人と同じぐらいにはなった。石川真二さんが回転を上げる調整をする方なので、調整はしやすい」と、翌日には伸びの上積みにも成功。あれよあれよとオール3連対の4勝を挙げて予選をトップ通過し、準優勝戦もクリア。

 優勝戦では「調整してみたが悪くなりそうなので、5日目の状態で行った」とインからコンマ13の踏み込みをみせての見事なVとなった。優勝インタビューでは「起こしからスピードの乗りがすごくて、ポテンシャルがすごいなと思った」とエンジンを絶賛。

 囲み取材で「上出来ですね(笑い)。追い風でスタートは気を使った。1Mでいいハンドルは入らなかったけど、このエンジンなら大丈夫と思った」と喜んだ。「多摩川が好きになったというより、52号機が好きになった」。この言葉を聞いた時に、何とも吉田らしい独特な言い回しで場を和ませた。

 「上半期が全然ダメだったけど、下半期は月1で優勝できていて状態は上向き。もう少しコンスタントに活躍しないといけないよね」と笑顔をみせていた。同期間中に住之江で活躍をみせていた茅原悠紀(岡山)には「1人で(支部を)背負わせ過ぎている。肩を並べるのは難しくなってきているけど、自分ももっと頑張りたいと思う」と責任感の強い吉田ならではの言葉も。

 残念ながらチャレンジカップは不出場で賞金ランキングは上位18位には届かないが、この優勝でSG・グランプリシリーズ(12月17~22日・住之江)への出場を確実にした。その次のまるがめG1・京極賞でも優出(結果は5着)と勢いはそのまま。年末のSGまで好調を維持してもらって久々のSG優勝まで駆け抜けてほしい。(東京ボート担当・三好信也)

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