【凱旋門賞】ジャスタ世界一の爆走

 「凱旋門賞・仏G1」(5日、ロンシャン)

 “世界No.1ホース”が悲願達成へ向けて躍動した。須貝厩舎の2頭が1日、シャンティイ競馬場の芝コースで抜群の動きを披露。安田記念V以来の実戦となるジャスタウェイは、ゴールドシップとの併せ馬で仕上がりに不安なしを強烈にアピールした。今年3月にUAEドバイで行われたドバイデューティフリーで後続に6馬身1/4差をつける圧勝。6カ月連続でレーティング世界1位をキープするハーツクライ産駒が、欧州調教馬以外は勝利していない、門外不出の至宝を奪い取る。

 朝モヤに包まれた幻想的なシャンティイ競馬場。“世界No.1ホース”が、ハッキリとその姿を現したのは残り1F付近からだった。ジャスタウェイが抜群の手応えを保持したまま、内のゴールドシップと並んでゴールを目掛けていく。馬場の真ん中を馬体を並べたまま、さっそうと駆け抜けた。

 「ゴールドが1馬身先行。5Fからある程度ペースを上げてくれという指示だった。ただ結果的には8Fからいいラップで行っていたね」と騎乗者にしか知り得ない向正面の情景を語った福永は、滑らかな口調で言葉を継いでいく。「結構ハードだったと思うが、輸送がうまくいったから。強い調教ができた点は評価できる」。安田記念制覇後の休養が奏功したのか、異国の地でも活気に満ちあふれた姿を見せている。

 週初めに降雨があり、この日は水分を含んだ馬場。「きょうの芝は現地でどれくらいの硬さなんですか?」と地元メディアに逆取材し、「若干軟らかい?全然問題なかったですね」ときっぱり言い切った。日本馬にとって懸念材料とされる馬場適性にも自信を深め、自然と表情が緩む。

 常に準備を怠らず、レースに臨むのが福永流だ。9月10日にはロンシャン競馬場で騎乗し、コースを確認。「出走各馬のレース、今までの凱旋門賞もチェックした」と既にライバル陣営の情報収集を完了済みだ。「具体的なイメージは枠が確定してから。あとは当日のトラックコンディションをチェックしてから」。週末のレースに向けて、Vへの階段を確実に一歩ずつ上っている。

 これまで2着が4回。今や日本競馬にとっての悲願となった欧州最高峰の舞台は、鞍上にとっても夢以外の何物でもない。「世界には数多くビッグレースはあるが、日本人にとっては凱旋門賞。自分もいつかトップホースと出会えたら、挑戦できるチャンスが来るんだろうなと思っていた。夢への挑戦権が得られた。彼の力を十分発揮できるような騎乗がしたい」。世界を驚嘆させたドバイデューティフリーの再現へ‐。その瞬間は刻一刻と迫っている。

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