【凱旋門賞】ハープ“仏っちぎった”
「凱旋門賞・仏G1」(5日、ロンシャン)
日本の3歳牝馬として初めて挑戦するハープスターは1日、仏シャンティイ・コワイラフォレ調教場の芝で最終追い切り。ムチを入れて意欲的に攻められたように、状態面は札幌記念(1着)を使われ急上昇している。
3歳牝馬とは思えない堂々とした動きで好調を伝えた。フランス入りして11日目、すっかり環境にも慣れたハープスターは1周1800メートルのシャンティイ調教場・コワレラフォレ(芝)で最終追い切り。この馬らしい豪快な末脚を繰り出し、フィニッシュを決めた。
午前9時、滞在先である小林智厩舎の所属馬を追走する形でスタート。落ち着き払った姿は日本にいる時と何ら変わりはない。ゆったりと進み、外から並びかける。右ムチ4発にしっかりと反応して大差でぶっちぎった。
「目の前を通るところしか見られなかったが、良かったと思う。抜け出してからフワッとするところはあったが、前回よりいいのは間違いない」と松田博師は目尻を下げる。隣で動きを見守った川田も「無事に終わったことが何より」と満足そうに笑みをこぼした。
前走の札幌記念は体調が本物ではなかった。最終追い切りは、落鉄した影響があったにしても切れを発揮できずじまい。トレーナーも「使えるかどうかというレベルだった」と述懐するほどだ。今回は叩いた効果もあり状態が急上昇。何の不安もなく大一番へ挑む。
G1タイトルは桜花賞のひとつだけ。G1・5勝のゴールドシップや、世界一のレーティングを持つジャスタウェイには実績的にかなり見劣り、当初はフランスでも評価が低かった。だが、札幌記念でゴールドシップを撃破してからは人気がうなぎ上り。シャンティイ調教場のヴァンサン場長も「レースを見たが、すごい脚。日本馬で一番チャンスがある」と最上位に評価する。
決戦まであと3日。松田博師は「日本馬が獲ったことのないレース。初めに獲ってみたいと思う」。ハープスターならやってくれる‐。戴冠への機運は確実に高まっている。