【凱旋門賞】横山典、直前インタビュー
「凱旋門賞・仏G1」(5日、ロンシャン)
関東の名手が自身初の凱旋門賞に挑む。ゴールドシップとともに欧州最高峰の舞台に参戦する横山典。酸いも甘いも経験し、誰よりも競馬の厳しさを知る男が今の心境を語った。一方、ハープスターで参戦する川田も意気込み十分。また、4度の凱旋門賞騎乗経験がある蛯名など、日本の競馬関係者が応援や冷静に勝敗を分析するコメントを寄せた。なお、2日に最終登録が締め切られ、20頭がエントリー。出走取消を受け付けた後、3日に枠順が確定する。
‐今回が凱旋門賞に初参戦。率直な気持ちは。
「基本的にはどのレースも一緒。気負ってもいいことはない。馬のリズムを心掛けてレースをする。いつもと同じこと。与えられた仕事をするだけだから。せっかく頂いたチャンス。楽しみたい」
‐その境地に達するまではさまざまな経験があった。
「ホクトベガのドバイワールドC(97年=競走中止)だって、やる気なら誰にも負けなかったんじゃないかな。それであの結果だよ。もちろん、海外重賞初制覇という肩書や、フランスで表彰式に立ちたい気持ちが全くないわけではないけど、やる気になれば結果が出るというほど競馬は単純なものではない」
‐ロンシャンは今回が初めて。
「海外のメディアにも会見で質問されたけどね。あまり知り過ぎない方がいい場合もある。コースの特性を知れば、逆に馬の良さを消してしまうことだってある。馬場だって当日の雨量によって重さも変わるんだろうから。凱旋門賞自体はテレビで何回も見ているしね」
‐タイトでかなり厳しい競馬というイメージがある。
「とにかく馬群が密集する。日本の比ではない。日本馬が対応するのは簡単ではないよ。普段は慣れていないわけだから。精神的にはかなりタフな競馬になる。少頭数のフォワ賞で勝てるけど、本番でなかなか日本馬が勝てないのは、そういう要因もあるんじゃないかと個人的には思っている」
‐レースでの作戦は決まっているか。
「馬の気分を最優先させたい。札幌記念の時は自分から進んで行かなかったから、後ろからの競馬になった。でもハープスターと斤量5キロ差があって2着。馬は本当によく頑張ったと思う」
‐シャンティイでは1日に1鞍騎乗(シャルルラフィット賞6着)した。
「別にコースがどうこうというのはないけど、ペリエやスミヨンとか日本で会っていたジョッキーたちが優しくしてくれた。有り難い限りだね」
‐最後に抱負を。
「自分もいろいろな経験をしてきて、余計なことは考えないようになっている。あのオルフェーヴルだって2年連続で2着に負けているように、甘くはないよ。でも外国人騎手に腕で負けているとは思っていない。とにかく、自分のできることを精いっぱいするだけ。あとは馬とともに無事帰国する。それが一番。これが本当に素直な気持ちなんだ」