「凱旋門賞・仏Ｇ１」（５日、ロンシャン）

　日本勢の長年の夢は今年もかなわなかった。豪華２頭出しの須貝勢は世界レーティングＮｏ．１のジャスタウェイが８着、Ｇ１・５勝のゴールドシップは１４着に敗れた。

　世界レーティングＮｏ．１の称号をもってしても、欧州の壁を突き破ることはできなかった。日本の悲願を背負い、世界最高峰の一戦に出走したジャスタウェイは８着。自慢の末脚も、ロンシャンの地では影を潜めた。

　道中は、日本馬３頭では最も前に位置したが、後方４、５番手で馬群のまっただ中。直線はインから懸命にさばこうとしたが、伸び脚はジリっぽかった。

　休養明けの馬は勝てないと言われる凱旋門賞。安田記念１着以来、４カ月ぶりの実戦を国内外のメディアに不安視されても、須貝師は「この馬にとってはこれが一番」と言い続けた。自身の感性、春のドバイデューティフリーを圧勝した愛馬の力を信じた先に勝利があると疑わなかった。

　「準備をして不安をなくしていくのが僕のやり方」と語る福永は、９月１０日にロンシャンで“試走”を敢行。ライバル馬の研究も怠ることなく、万全の態勢を敷いてきた。それでも努力が結果につながるとは限らない。自身初の凱旋門賞への挑戦は、歓喜ではなく競馬の厳しさ、難しさを実感する場となった。

　レース後の福永は「もう少し前の位置を取りたかったが、思ったほど進んで行かなかった。距離は全く問題ないし、出来も良かったけど、伸び切れなかった」と語った。